※半年くらい前にお医者さん20人くらいの前で症例提示したスライドも使って説明します。
誤植があった為訂正しました。(7/16)
「日常であった○○な話は科学的に見ると意味合いが全く異なるものだった」なんてことは往々にしてある。
精神科のネット講座を聞いていて驚いたのは、よく聞く「ゴミ屋敷に住む猫にエサを与えて近隣住民に迷惑~」はPick病(前頭側頭型認知症)の可能性があるとか。
迷惑で酷い!とメディアが報じるなか、医者目線で見ると病気の可能性があって、受診していないならしょうがないんじゃないかと見えたりとか。
あとはコラーゲンの経口摂取。「普通に分解されるんでバカですよね~」と先生方がよくネタにしたりする。
知識一つ、見え方一つで全く違った話に。こんなネタが実は卓球にもある。
今回は放射線科を実習で回った際に作ったスライドを用いて説明してみようと思う。
トルエン中毒に関する発表のスライドの流用です。
チャック時代最強の異臭を放ち、持続性が高いとされたチャック「スーパーロングチャック」
お店で初めてラケットを買った時、お店の人が使っていたのもこれのデカいやつだったのを今でもよく覚えている。
昔懐かしいニッタクの「閃光ブルーの凄い奴」だったかな、そんなフレーズのシャライデンにトレイサーを両面貼って貰った。
その後色々ラバーを買ったり、色々チャックを買ったが、やっぱり一番クサイのはこれだった。
そしてこのとてつもなく臭いチャックで私が高校生の時、重大事故が出る。
臭いが強烈で、卓球愛好者からも「チャックはシンナーだ」と言われ、これで中毒が出るんじゃないかーと本気で思っていた人もいたかもしれない。
実際使用者も悪いことをしているといったイメージを持って塗っていた人も多いんじゃないか。
それもあってか世間的にもこのチャック事件は「シンナー中毒」によるものとした誤解を持たれたかもしれない。
だが真相はアナフィラキシーショック。(※軽快されたそう。当時大々的に取り上げられ、その後の経過まで報道されてなかった為てっきり死んだと思われた方も多いのでは。私はその一人。)
二回ハチに刺されて起きるとか、食物アレルギーの人が抗原(そのアレルギーの食べ物)を摂取して起こる急性のもの。
アナフィラキシーであれば、対象が何だってかまわない。
その物に対してアレルギー体質であれば全然起きうるものである。
(キスで死んだ→真相はピーナッツアレルギーなんて有名な話もあるくらい。)
つまりは「チャックは何も悪くない」のだ。
もし仮に現行の水溶性接着剤に対してアナフィラキシーで死者が出たとしよう。
そしてまた新たな接着剤を開発し、また死者が出たりしたら、、、、もう貼りあがりラケットしか使えなくなるのでは無いか。
そういう意味ではチャックでの大事が起きたからやめる、というのは愚行としか思えない。
ただそれでもチャックを禁止にしたというには明確な理由がある。
といってもあくまで私の推測の域を出ないのだが、間違いなくチャックは「シンナー」であるから禁止にされたのだろう。
やはり聞こえが悪いし、世間体も悪い。
そもそも「シンナー」とは何だろうか。みなさんはイメージがあるだろうか。
一般にシンナーと言うと危ないイメージがあると思う。
だが、シンナー中毒というと実際の内訳を見ると「トルエン中毒」によるものが大体を占め、医学的に問題となり、なんなら画像診断や、国家試験でもテーマになるのは「トルエン」に対してである。
つまりカテゴライズとしてはシンナー>トルエンという風に、シンナーの方が幅広いものを指している。
上のスライドを見てわかるようにシンナーは「薄めるための有機溶剤」である。
スーパーロングチャックには人体に有害性のあるトルエンは使われていない
当時チャック全般にも使われてはいなかったが、昔は入っていたとかなんだとか。
その代わりにノントルエンの有機溶剤を使うのが一般的だった。
トルエンが業務用途に使われるのが一般的だったのは過去の話。
最近なんでもってわけではない、やはり危ないものだからトルエンの入っていないものを使おうとする動きもある。
ただ、未だにトルエンは使われており、トルエン入りの製品を買うことは不可能では無い。
トルエン中毒の人はどういった症状になるかまとめたスライド。
液体であるトルエンを気化させたものを吸い、気持ち良くなるのが中毒者の使用法らしい。
しかし、あまりに人体への影響が強すぎる。
トルエンを測定する為には尿中馬尿酸!って国家試験に過去に出てたようですね。
実際の症例提示を思いっきり改変した話もしてみる。
若年女性
身内にトルエン遊びが上手な人がいて、トルエン遊びをするようになった。
最初は皆でやるときしかしなかったが、徐々に一人でするようになる。
家族にトルエン入りの溶剤をホームセンターで購入させて一人で吸うように。
徐々に吸う頻度も増え、仕事先にも顔を出さないように。辞職。
交際相手に「やばいよ」と言われ、病院を受診。
それでMRIを取ってみると色々な変化が・・・
こんな感じで患者さんは来院されるそう。
しかしここまで見たらトルエンの恐ろしさは理解されたのではないだろうか。
どう考えてもトルエンを用いたいけない遊びがシンナー遊びと総称される以上、シンナーを使う競技である卓球はイメージは良くはないと思う。
結語としては卓球のイメージアップを狙うならばチャック禁止は間違いではなかった。
ただその結果として用具全体の価格帯が上がり、プレイヤーにとっては敷居の高いものになってしまった。
その結果生まれたのが、補助剤問題。
「補助剤を実際に使ってみたブログ」とか「代替品の実験をしていたブログ」なんかを見て実際私も実験してみましたが、どうせ二番煎じですし
元・卓球屋の日記
この方業界の方なのかな?色々記事を上げていますので補助剤の勉強をするにはもってこいかと。
スーパーロングチャックを機に、気付けばチャックの安全性の問題から後加工禁止への論理のすり替えが行われたわけですが、徐々に後加工禁止の意味合いも変わってきているようで。
当初は「何も塗らない」意味合いかと思いきや、最近では「自分では何も塗らなければOK」という風なニュアンスに。
この辺のルールの解釈に関しては、一般レベルからすると極めてどうでもいいこと。誰が考察をしたって何の意味もない。
結局このルールの煽りを受けるのは全国レベル以上を目指して、人生をかけて取り組んでいる人たちだけ。
テナジーSPとか、補助剤塗りたくられたラバーの支給だとか噂でしか聞いたことが無く、生で見た事も無い。
だがそうしたルールの抜け道を用いて「自分はやっていない」と言い張り、一般ユーザーと同じものですよと言われるとなんだかなぁと思う。
いっそのこと「プロ仕様のメーカー支給品でルール違反はしていません」と声を大にして、工場で塗りたくられたプロ仕様のラバーを使って欲しいとさえ思う。
つまりは、メーカー支給品をグレーだと思う人がいて、選手自身グレーだと思いながら使っていることが問題。
ルールに則っているならば、胸を張って堂々と合法だと言って欲しいものである。
誤植があった為訂正しました。(7/16)
「日常であった○○な話は科学的に見ると意味合いが全く異なるものだった」なんてことは往々にしてある。
精神科のネット講座を聞いていて驚いたのは、よく聞く「ゴミ屋敷に住む猫にエサを与えて近隣住民に迷惑~」はPick病(前頭側頭型認知症)の可能性があるとか。
迷惑で酷い!とメディアが報じるなか、医者目線で見ると病気の可能性があって、受診していないならしょうがないんじゃないかと見えたりとか。
あとはコラーゲンの経口摂取。「普通に分解されるんでバカですよね~」と先生方がよくネタにしたりする。
知識一つ、見え方一つで全く違った話に。こんなネタが実は卓球にもある。
今回は放射線科を実習で回った際に作ったスライドを用いて説明してみようと思う。
トルエン中毒に関する発表のスライドの流用です。
チャック時代最強の異臭を放ち、持続性が高いとされたチャック「スーパーロングチャック」
お店で初めてラケットを買った時、お店の人が使っていたのもこれのデカいやつだったのを今でもよく覚えている。
昔懐かしいニッタクの「閃光ブルーの凄い奴」だったかな、そんなフレーズのシャライデンにトレイサーを両面貼って貰った。
その後色々ラバーを買ったり、色々チャックを買ったが、やっぱり一番クサイのはこれだった。
そしてこのとてつもなく臭いチャックで私が高校生の時、重大事故が出る。
臭いが強烈で、卓球愛好者からも「チャックはシンナーだ」と言われ、これで中毒が出るんじゃないかーと本気で思っていた人もいたかもしれない。
実際使用者も悪いことをしているといったイメージを持って塗っていた人も多いんじゃないか。
それもあってか世間的にもこのチャック事件は「シンナー中毒」によるものとした誤解を持たれたかもしれない。
だが真相はアナフィラキシーショック。(※軽快されたそう。当時大々的に取り上げられ、その後の経過まで報道されてなかった為てっきり死んだと思われた方も多いのでは。私はその一人。)
二回ハチに刺されて起きるとか、食物アレルギーの人が抗原(そのアレルギーの食べ物)を摂取して起こる急性のもの。
アナフィラキシーであれば、対象が何だってかまわない。
その物に対してアレルギー体質であれば全然起きうるものである。
(キスで死んだ→真相はピーナッツアレルギーなんて有名な話もあるくらい。)
つまりは「チャックは何も悪くない」のだ。
もし仮に現行の水溶性接着剤に対してアナフィラキシーで死者が出たとしよう。
そしてまた新たな接着剤を開発し、また死者が出たりしたら、、、、もう貼りあがりラケットしか使えなくなるのでは無いか。
そういう意味ではチャックでの大事が起きたからやめる、というのは愚行としか思えない。
ただそれでもチャックを禁止にしたというには明確な理由がある。
といってもあくまで私の推測の域を出ないのだが、間違いなくチャックは「シンナー」であるから禁止にされたのだろう。
やはり聞こえが悪いし、世間体も悪い。
そもそも「シンナー」とは何だろうか。みなさんはイメージがあるだろうか。
一般にシンナーと言うと危ないイメージがあると思う。
だが、シンナー中毒というと実際の内訳を見ると「トルエン中毒」によるものが大体を占め、医学的に問題となり、なんなら画像診断や、国家試験でもテーマになるのは「トルエン」に対してである。
つまりカテゴライズとしてはシンナー>トルエンという風に、シンナーの方が幅広いものを指している。
上のスライドを見てわかるようにシンナーは「薄めるための有機溶剤」である。
スーパーロングチャックには人体に有害性のあるトルエンは使われていない
当時チャック全般にも使われてはいなかったが、昔は入っていたとかなんだとか。
その代わりにノントルエンの有機溶剤を使うのが一般的だった。
トルエンが業務用途に使われるのが一般的だったのは過去の話。
最近なんでもってわけではない、やはり危ないものだからトルエンの入っていないものを使おうとする動きもある。
ただ、未だにトルエンは使われており、トルエン入りの製品を買うことは不可能では無い。
トルエン中毒の人はどういった症状になるかまとめたスライド。
液体であるトルエンを気化させたものを吸い、気持ち良くなるのが中毒者の使用法らしい。
しかし、あまりに人体への影響が強すぎる。
トルエンを測定する為には尿中馬尿酸!って国家試験に過去に出てたようですね。
実際の症例提示を思いっきり改変した話もしてみる。
若年女性
身内にトルエン遊びが上手な人がいて、トルエン遊びをするようになった。
最初は皆でやるときしかしなかったが、徐々に一人でするようになる。
家族にトルエン入りの溶剤をホームセンターで購入させて一人で吸うように。
徐々に吸う頻度も増え、仕事先にも顔を出さないように。辞職。
交際相手に「やばいよ」と言われ、病院を受診。
それでMRIを取ってみると色々な変化が・・・
こんな感じで患者さんは来院されるそう。
しかしここまで見たらトルエンの恐ろしさは理解されたのではないだろうか。
どう考えてもトルエンを用いたいけない遊びがシンナー遊びと総称される以上、シンナーを使う競技である卓球はイメージは良くはないと思う。
結語としては卓球のイメージアップを狙うならばチャック禁止は間違いではなかった。
ただその結果として用具全体の価格帯が上がり、プレイヤーにとっては敷居の高いものになってしまった。
その結果生まれたのが、補助剤問題。
「補助剤を実際に使ってみたブログ」とか「代替品の実験をしていたブログ」なんかを見て実際私も実験してみましたが、どうせ二番煎じですし
元・卓球屋の日記
この方業界の方なのかな?色々記事を上げていますので補助剤の勉強をするにはもってこいかと。
スーパーロングチャックを機に、気付けばチャックの安全性の問題から後加工禁止への論理のすり替えが行われたわけですが、徐々に後加工禁止の意味合いも変わってきているようで。
当初は「何も塗らない」意味合いかと思いきや、最近では「自分では何も塗らなければOK」という風なニュアンスに。
この辺のルールの解釈に関しては、一般レベルからすると極めてどうでもいいこと。誰が考察をしたって何の意味もない。
結局このルールの煽りを受けるのは全国レベル以上を目指して、人生をかけて取り組んでいる人たちだけ。
テナジーSPとか、補助剤塗りたくられたラバーの支給だとか噂でしか聞いたことが無く、生で見た事も無い。
だがそうしたルールの抜け道を用いて「自分はやっていない」と言い張り、一般ユーザーと同じものですよと言われるとなんだかなぁと思う。
いっそのこと「プロ仕様のメーカー支給品でルール違反はしていません」と声を大にして、工場で塗りたくられたプロ仕様のラバーを使って欲しいとさえ思う。
つまりは、メーカー支給品をグレーだと思う人がいて、選手自身グレーだと思いながら使っていることが問題。
ルールに則っているならば、胸を張って堂々と合法だと言って欲しいものである。
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