卓球再開し、SUPER ZLCにディグ09C、80を貼って改めて分かったことが多々ありました。

今更か、という内容も多分にあるかもしれませんが、なるだけわかりやすく考察してみようと思います。

表題を「飛ばすことと安定性」としてみましたが、基本的には卓球では相反することです。
飛ばそうとすればするほど、条件が難しくなるため安定性は乏しくなるもの。
ただ実際は点数を取るために難しいボールを出そうとしなければならず、そこで安定性が失われてしまう。
これこそが対人スポーツとしての卓球のゲーム性で場面を見極めてリスクベネフィット鑑みて手札を切らなければいけない。

前環境において、つまりはプラボール初期に主に考察をしていたころは、ボールのそのものの品質から弾みが安定せず、そこまで飛ばない印象が強かったのに加え、用具そのものが弾まないものが一般的でした。
アウターのZLCや、インナーフォースシリーズが流行り、そこにテナジー、キョウヒョウを貼り、セルロイド時代からの技術革新としても台上ドライブや中陣でのプレーが早くなってきたところだったと思います。

さて、現代となれば弾みはほどほどのALCが主流となり、ラバーはどんどん弾み、上方向に飛び出すものが主流となってきました。
台上のフォームも妙に洗練され、フォアもバックもフォームが小さくなってきた印象が強いですね。

以前関節単位での考察をすることで、最適なフォームで以て小さいエネルギーで打つことを良しとしていましたが、そのフォームも今や大きすぎて、速く強いボールが早いピッチで飛んでくる現環境では既に時代遅れとも思われます。

飛ばすことが簡単になり、安定性も用具により担保されてきた現状、飛ばすことと安定性が完全に相反するかと言われればそうとも言い切れないのではないか、と思うところです。

とりわけ顕著に出るのがバック対バックの時。
最高に弾む用具でやっていると気づくわけです、元々のフォームだと飛びすぎる。
全身でのフォームというよりかはラケットワークで十分に強打が出せるし、全身を使う場合はボールとラケットの位置関係の調節に使うだけでよいと。

以前までの3hitでの最小単位のフォームに継ぎ足しすることでフォームを作るというとり、最小単位のフォームそのものがラリー中では必要十分な条件になってしまっている。

更に言えば、トップ層の卓球も、張本対ファンジェンドンを見てもらえばわかりやすいと思いますが、飛ばない用具で彼らのバックのフォームを完コピした場合、なぜこれで強いボールが入るの?と疑問に感じるほどに小さく飛ばない。一方で飛ぶ用具で完コピした場合、それこそ妙に納得がいく。
ではフォアは?こればっかりは、トップ層のフォア対フォアの環境と一般層の環境の違いがもろに出るよう思える…それだけお互いにとんでもないボールを出しているのだろう。

用具の性能により、大きなフォームが要らないということは、最小単位のフォームが合ってさえすれば多少継ぎ足ししたフォームでも結果的には同様のボールを出せる可能性があることもまたいえる。

昨今いろんなyoutuberが解説動画を出して、全く異なる表現をしているのに同様の効果を得られるような錯覚を覚えた経験は誰しもがあると思われる。


あまり打球直前直後で考察した者は少ないが、トリックとしては納得しやすく思う。

飛ばすことと安定性は反するものであったのは旧環境までの話。
現代卓球にはそれこそ「トレランス」が多く存在する。
じゃあどんな打ち方でもいいじゃん、と曲解してトレランスをとらえるのもありかとは思われるが、だからこそ正しくすることで、より上位の技術論を語れる可能性もまたあるだろう。
つまりは、「これまででは入らないはず」の技術を模索するということだ。

この面で入らないと思っていた場面の多くが実は出来る環境に自分が身を置いている可能性を常に考慮すべきだし、現状打破するならばとにかく高い用具に変えてみると面白い。それこそ簡単に知らない世界が見えてくる。

SUPER ZLCやSUPER ALCを使わないのはもったいない、長くブランクがあるもののそう思ってしまうこの頃です。