やはりyoutubeで語られると、多くの目に映るもので3000人は関節考察に目覚めたようです。
色んな間違いを見つけても、取り巻きがそれで正しいとみているうちは声を上げまいと耐えてはいましたが…さすがにジョイントバイジョイント理論に関してだけは少し書いておこうかと思います。
そもそも論として私も知りませんでした。何せ整形外科で聞いたことないし、ジャンルがスポーツ医学で理学療法とかがベースで傷病者のリハビリに用いられるものであるからです。
グレイクック氏はスポーツ医学の走りで、その道の権威。
↑日本語版。おすすめです。
傷病者がリハビリを行う上での評価方法などをまとめた↑の本が代表著書のようで、サンプルをぱらっと見てはみました。
さわりの部分ではあんまり触れられておらず、色んなサイトを見てはみましたが…
stabilityとmobilityは相関関係にあり、一方が損傷している場合健常部位に負担がかかるため、双方の関節を理解して適切なリハビリ方法を考えるべき
といったものでしかなく、stabilityだから動かすなとか、mobilityだから動かせというものでは決してないということです。(ただこればっかりは卓球上級者ないしは解剖学を少しでもかじった人なら自然と気づいてだんまりみていることかと思いますが…)
というのもその考え方だとなんならケガを助長してしまうでしょう、本来自然に動いてしまうものでさえ制限しようとしたり、目的動作に必要な程度しか動かさなくてもよい関節を過度に動かすようにしてしまうわけですから。
mobilityを担うとされる関節の中枢や末梢でケガをした場合、stabilityを担う関節が損傷するわけですからその分の安定性をmobilityを担う関節で代償する必要があるわけです。
肘をケガしたら肩というように、その分を他の関節が多く働きstabilityをも担う。
中でもfunctionalに問題がない動作の中でstabilityを担う関節で運動を成立させることが出来ている場合は別に負担が無いわけだからよいはずだが、そこでむやみやたらに本来stabilityを担うべき関節がstabilityを担う関節だから動かしてはいけないと可動を制限してしまえば、余計に中枢末梢の関節に運動を強いるというのは想像に難くないことですね。
勿論ちょうどいい程度と解釈してされることがほとんどだとは思いますがね。
しかして動かすなといっても体幹部ならわかりますけど、四肢の関節で使うななんてそもそもありえない話です。
内外旋と意識していれば肘関節が自然と入ることもありますし、肘関節を使った方がより動作が早くなる場面もありますから。
あの動画の内容が卓球界一般に広がり、誰もが当たり前かのように語ることは決してないとは思いますが、聞いたことを鵜呑みにせず一度立ち止まって考えたり、自分で調べてみるというのは重要かもしれませんね。
ただ一般人は関節がどこにあってどういう運動をするのかはわかりませんから、あのstabilityとmobilityの綺麗な図で関節位置を勉強するのは非常に良いことかと思われます。
便宜的にも学習する上で大きく動かせる関節を知るうえでstabilityとmobilityを用いて理解するのもまたいいことだと思います。
さて、関節運動に関して考察されていくと次に行きつくだろうと予測されることは、
再現性のあるフォームを自己で構築する方法はあるか
でないかと思います。
3Hitへの序章;感覚の議論
卓球を関節単位で考察していくうちに最後に行きつくのは、打球動作の最小単位は何か、ということです。
それに対してWRMでは感覚を用い、平岡氏はCC理論(多少語弊はあるかも)、バルサミコ・フランでは3Hitを用いて考察しています。
この最小単位をさらに最小にするためにはどうするかをいかに考えるかで、打法形成の方法が決まってくるといっても過言ではありません。
我々は細胞レベルでの神経伝達を、ミクロレベルでの考察をしなければいけないのでは…とある意味思考放棄してしまっていますが
フォームの最小単位である打球時の動作を、適切な感覚で以て定義することもいろいろな指導法を見ていれば正解と思いますが、できるならばそれも解剖学的条件ないしは物理学的条件で定義した方がよいと思うところです。
そうして明快に定義することさえできれば、あとはその動作が強くなるように関節運動を足していけば必然と良いフォームになっていきます。
ということでまとめてみれば、
・最終的に大事になるのは当てることと、当てた際の評価
・ここを定義するのは自分で勉強してやるか、近くの指導者
・結局WRMに行きついてしまうかも
感覚的なことを表現するのは難しいからこそ、感覚的に処理されてしまう打球時のそれを考えるのは必要で何なら楽しいのです。
今後の動向に期待しています。
コメント
コメント一覧
肩関節水平伸展+肩甲骨内転 の動作のなかで、インパクト時に回内・回外で捉える角度を調整しているだけという話ですか?
ジョイントバイジョイント理論についてなのですが、便宜上“肘膝だけに絞って”質問させていただきます。
私もバルサミコさんと同じ考えで、“スタビリティ関節だから動かすことに適していない”とは思っていて、肘膝の屈伸を使ったほうが効率的な場面では使えばええやん。と思っています。
その前提として、スタビリティ関節としての「安定性が確保出来ている」範囲であればと。
ただし、この「安定性」というのは自身の体感としては理解出来ていますが、学術的にはこの安定性は何を指して言ってんだ?
という疑問が未だ拭えません。
(その程度の理解度で動画にコメント残すなよって話ですが)
安定性とは何かに関しては関節が多軸か否かによるようです。ただ球関節である肘関節がstabilityに分類されている理由が私もよく分かりませんが、おおよそ大きい運動に関与しないから?と予測します。
Joint by Joint theoryは元より運動における可動性の評価に関して使うもので、運動強度や力、敏捷性には関与しないものだと原著に書いてあります。また可動性が大きいから大きな力が入るわけでも勿論ありません。(これは素人が典型的に勘違いするパターンです。)
しかし実際に卓球をしてみればいずれも経験的にわかることかと思います。
このmovementの日本語版も7000円程度で買えますし、これ一冊読んでしまえばどんな論者よりも強くなれると思いますんで、試しに読まれてみては?
当記事でアフィリンク貼っとくのでぜひ 笑
もし無理でも英語版が800円程度で買えますし、最初の100ページはサンプルであるのでDeep Lで日本語訳をかけてみて通読してみるだけでも理解が深まるかもしれません。
アン卓さんを論破出来るなら、7000円は安い…と捉えるべきなのか?(笑)
原文には「ジョイントバイジョイント理論は敏捷性関係ない」と書かれているとのことですが、
膝がグラついていると股関節や足関節の動きがぎこちなくなるというのは、敏捷性云々以前の生理現象で、ごくごく当たり前のことになってしまうのでしょうかね。
アン卓どころかこれ一冊読んで理解できれば卓球界の考察屋のほとんどを論破できますよ 笑
アセスメントする能力が身に付くってのはそういうことですから。
ただ成書でとっつきづらいし、並の理学療法士は読んでないでしょうし。
これ読んでアナトミートレインも読み込めば間違いなく頭よくなります。
私がちょっとこれはなぁ、、って思う感覚はムーブメント読むだけでも得られると思いますが。
後者の件はそれこそジョイントバイジョイントで説明されてるようにスタビリティが落ちた関節があればその上下のモビリティやスタビリティに影響を受けますから、生理現象?というよりかは代償性にありうる事象と考えられます。
「正しく理解する」って大変ですね。めちゃくちゃ金と時間が要りますね。
ジョイントバイジョイントを通して、改めてその壁の高さを認識しました。
SASUKEの反り立つ壁くらいかと思ってましたが、進撃の巨人の壁でしたわ。この先エベレスト級に隆起しちゃうんでしょうね。
1日10Pずつ気になるところ読めば1ヶ月で完読できますからぜひとも読んでみてください! 笑
もしわかんないとこあれば写真とってDMしていただければ僭越ながら解読してさしあげますよ、と言って無料で読みたがっています
いつなるかわかりませんが、フランと考察屋集めてZOOMで研究会やろうかと話してたのでもし行われる場合は声かけますからよろしくお願いします