やはりyoutubeで語られると、多くの目に映るもので3000人は関節考察に目覚めたようです。

色んな間違いを見つけても、取り巻きがそれで正しいとみているうちは声を上げまいと耐えてはいましたが…さすがにジョイントバイジョイント理論に関してだけは少し書いておこうかと思います。

そもそも論として私も知りませんでした。何せ整形外科で聞いたことないし、ジャンルがスポーツ医学で理学療法とかがベースで傷病者のリハビリに用いられるものであるからです。
グレイクック氏はスポーツ医学の走りで、その道の権威。
Movement (English Edition)
Cook, Gray
On Target Publications
2012-02-13



↑日本語版。おすすめです。



傷病者がリハビリを行う上での評価方法などをまとめた↑の本が代表著書のようで、サンプルをぱらっと見てはみました。

さわりの部分ではあんまり触れられておらず、色んなサイトを見てはみましたが…

stabilityとmobilityは相関関係にあり、一方が損傷している場合健常部位に負担がかかるため、双方の関節を理解して適切なリハビリ方法を考えるべき

といったものでしかなく、stabilityだから動かすなとか、mobilityだから動かせというものでは決してないということです。(ただこればっかりは卓球上級者ないしは解剖学を少しでもかじった人なら自然と気づいてだんまりみていることかと思いますが…)
というのもその考え方だとなんならケガを助長してしまうでしょう、本来自然に動いてしまうものでさえ制限しようとしたり、目的動作に必要な程度しか動かさなくてもよい関節を過度に動かすようにしてしまうわけですから。
mobilityを担うとされる関節の中枢や末梢でケガをした場合、stabilityを担う関節が損傷するわけですからその分の安定性をmobilityを担う関節で代償する必要があるわけです。
肘をケガしたら肩というように、その分を他の関節が多く働きstabilityをも担う。
中でもfunctionalに問題がない動作の中でstabilityを担う関節で運動を成立させることが出来ている場合は別に負担が無いわけだからよいはずだが、そこでむやみやたらに本来stabilityを担うべき関節がstabilityを担う関節だから動かしてはいけないと可動を制限してしまえば、余計に中枢末梢の関節に運動を強いるというのは想像に難くないことですね。

勿論ちょうどいい程度と解釈してされることがほとんどだとは思いますがね。

しかして動かすなといっても体幹部ならわかりますけど、四肢の関節で使うななんてそもそもありえない話です。
内外旋と意識していれば肘関節が自然と入ることもありますし、肘関節を使った方がより動作が早くなる場面もありますから。

あの動画の内容が卓球界一般に広がり、誰もが当たり前かのように語ることは決してないとは思いますが、聞いたことを鵜呑みにせず一度立ち止まって考えたり、自分で調べてみるというのは重要かもしれませんね。

ただ一般人は関節がどこにあってどういう運動をするのかはわかりませんから、あのstabilityとmobilityの綺麗な図で関節位置を勉強するのは非常に良いことかと思われます。
便宜的にも学習する上で大きく動かせる関節を知るうえでstabilityとmobilityを用いて理解するのもまたいいことだと思います。



さて、関節運動に関して考察されていくと次に行きつくだろうと予測されることは、

再現性のあるフォームを自己で構築する方法はあるか


でないかと思います。

3Hitへの序章;感覚の議論


卓球を関節単位で考察していくうちに最後に行きつくのは、打球動作の最小単位は何か、ということです。
それに対してWRMでは感覚を用い、平岡氏はCC理論(多少語弊はあるかも)、バルサミコ・フランでは3Hitを用いて考察しています。

この最小単位をさらに最小にするためにはどうするかをいかに考えるかで、打法形成の方法が決まってくるといっても過言ではありません。

我々は細胞レベルでの神経伝達を、ミクロレベルでの考察をしなければいけないのでは…とある意味思考放棄してしまっていますが

フォームの最小単位である打球時の動作を、適切な感覚で以て定義することもいろいろな指導法を見ていれば正解と思いますが、できるならばそれも解剖学的条件ないしは物理学的条件で定義した方がよいと思うところです。

そうして明快に定義することさえできれば、あとはその動作が強くなるように関節運動を足していけば必然と良いフォームになっていきます。



ということでまとめてみれば、

・最終的に大事になるのは当てることと、当てた際の評価
・ここを定義するのは自分で勉強してやるか、近くの指導者
・結局WRMに行きついてしまうかも


感覚的なことを表現するのは難しいからこそ、感覚的に処理されてしまう打球時のそれを考えるのは必要で何なら楽しいのです。


今後の動向に期待しています。