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ツッツキに関してはこの世にこれでもかという程に溢れており、それなりに誰もが正しい説明をしている。
キレる条件に関しては3Hit条件がそのまま適応できるが、どちらかといえば相対的条件としてみたす方が良いかと思われる。
これもまた以前の記事だが、ツッツキに関しての考察をしたのが以下


記事における要点をまとめると、
①打球時のベクトルに前向きを減らすこと
②ボールの外側から取る
③スイングの最小半径を意識させる
④回内回外を意識させる
⑤おそめから早めの打球点へ


回内外は今はそこまで重要視してはいないが、端的に3Hitを満たせばよいということだ。
3Hitでほとんど説明できることに気付いてから、ツッツキであればどういった条件があるかを実験的っかつ経験的に見つけ、肉付けした上で抽出したのが上記条件である。

さて、ここであんまり見たことのないツッツキ指導動画をさらって要点を抽出してみよう。
どんな差異があるのだろうか。




さて、この動画ではツッツキを学ぶ上で次のような手順が良いと説明されている

①押し出す癖を見つける。(台上カットで)
②回転がかかっているか確認する(回転がかかるスイングであるかを確認する)
③ブチ切れる面とタッチを探す
④は省略

さて、どれも練習をする手法の説明で一般化された動作説明は一つもない
ただ実際はこの経験的な指導方法、対面指導では技術習得させることが出来る手順においては一つ一つに意味がある
これを考察していく

①に関して
これは言わずもがな、3Hit条件、一番飛ばない打球点とスイングを覚えるためである。
出来ない人は意識したところで全然改善は得られないだろうけれど、普通に考えられる人であれば飛ばないようにと工夫していくだけで引き付けることであったり、前に振らないことであったりに気付くことで、相対的3Hitまで体感的に理解できる。

②に関して
飛ばない条件が正しいかどうかの確認と「スイング方向」をチューニングするために必要である。
回転がかかるということは平岡理論で言う所のCCを満たすかどうか。ボールのどの辺りを捉えるようにorラケットのどこに当てるべきかを体感的に理解するために必要だ。
あえて体感的にといったのは、不安定であっても「こんな感じなら切れる」と理解することが目的であって他の指導者の条件を完全かつ再現性高く満たすことが目的ではないからだ。
これこそ「切れる感覚」の理解をするためだ。

③に関して
ここはより感覚的になる。微細なキレる感じをより具体的に体にしみこませる部分。
一回のまぐれが起きれば、コツとしてより理解が深まるパートだ。

多球練習の仕方としてはとても一般的な手法でどのパートにも意味がある。
最終的に回転がかかるツッツキを覚えることは出来るし、特に独自性があるわけでもなく、不器用な人間でいくら練習しても…みたいなタイプでなければ普通に出来るようになるだろう。

普通にいい手順だ。


見て触って感じて、現状をアセスメントしながら上達させていく手法では、コツをつかめない不器用な人が脱落する可能性が有れど小難しい説明は抜きにして感覚として技術を覚えることが出来る。
再現性は感覚が繊細でないと生まれないまでも、指導者が良しというまで続ければ、繰り返しで再現性は担保可能となる。

本来はより一般化して感覚を動作条件かつ物理条件として説明できた方がいいのだろうけれど、どちらかの条件のいずれかないしは両方を感覚的理解できていればそれで問題はないのだ。

どちらも現実には相補的な関係であることがほとんどで、動作を満たせば物理を満たす、物理を満たせば動作を満たすからだ。


上のようなあまりみたことがない動画主の、よくある指導法のわかりやすい解説であっても、あまり触れられてはいない物理条件や解剖条件が体感的に習得できる手順が潜んでいたりする。


これに気付けるかどうかで、より多くのそれでもできない不器用な人らを上手くすることが出来る「コツ」が見えてくるし、うまい人がなぜうまいかにも気付くことが出来る。

経験的な手順ほど、一般化すると面白いことがある。


その一例の紹介でした。