最近精神科ローテートしているバルサミコですが、面白い話を聞いたのでシェア
調べ学習してまとめた内容をもとに考察します
「ADHDの子はIQに乖離がある」
皆さんはIQをご存知だろうか
一般にIQとは地頭の良さを測るもの、と思われているがこと細かく見ていくとその実態は複雑である
IQを測る為に現在スタンダードに用いられているのがウェクスラーベルビュー知能検査(WAIS)
1時間から1時間半ほどかかる心理士つきの検査で、ネットなんかでサラリとできるような簡単テストとはわけが違う、ヘビーなもの
試験結果で「はいIQ低い!」みたいにあっさりとした答えが出るわけではなく、
言語性IQ(VIQ)
動作性IQ(PIQ)
全検査IQ(FIQ)
がある
言語性IQは言葉を用いた表現力や思考力を示す、いわばお勉強に近いもの
動作性IQは作業や運動を行う上での判断、考察力を示す
これらの詳細項目に
群指数:言語理解(VC) 言語意味理解,言語的知識,言語的推理,言語表現]
知覚統合(PO) 視覚的刺激の統合,非言語的思考,非言語的推理,同時処
注意記憶(FD) 注意の範囲,聴覚的な短期記憶,聴覚的な系列化,継時処理,聴覚的情報の記号 化
処理速度(PS) 反応の速さ,視覚的短期記憶,視覚的情報の記号化
がある。
参考:WISC-3
※新しい版は4があるようですが、たまたま調べたのが3だったのでそちらに合わせています
問題をしっかり読んで早く正解を出すのが高IQの秘訣、のようだが、ADHDの子だとさっさと解きたくてミス連発、大人だとゆっくりといて当たるもIQが下がるといった傾向があるよう
さて、一般人の平均は100程度、と言われており、70以下から精神遅滞の疑いとされる
レベルとしては中学校レベルの勉強ができるかできないか
一方でIQが高くても「ADHDなど発達障害」と分類されるケースがあり、vIQとpIQに開き(vIQーpIQ)が15以上ある症例にその疑いがかけられる。
※4においてはvIQ,pIQの区別はなくなり、比較すること自体に意味はないと考えられている。
参考:WAIS-4
以上、ざっくりとしたまとめ
間違いがあったらすみません
ーーーーーーーーーーーー
私が大学時代指導していて困った例の多くは、「アスペ、ADHD傾向のある子」
この子らは皆言わずもがなvIQの高い、秀才達だ
※本記事ではアスペ、ADHDの明確な区別は伸べません。素人では鑑別困難のようだから
だが、頭の回りが遅めで要領を得ない子が多く、加えておっちょこちょいなミスも多い
なぜかぼーっとしている時間が散見されるなど、いかにも「っぽい」感じだった
アスペにIQが高い子が多い
というのはよく聞く言葉ではあるが、vIQ特化していれば確かにそういった傾向も生まれるのかもしれない
ただ、以下ブログ
アスペに高IQ多いは嘘
を見ればそうでもないように思うが、実際勉強ができる人間にアスペが多く、vIQ>pIQとなりうる暮らし方をしてきたというのは、納得できることと思う
勉強しかしてこなかった人間がある一定の割合いるからだ
そういったアスペ傾向相手に私が教えていて苦難したのは、以下の点
・一度いったことを頭では理解できるが、体で表現できない
・見たものを多角的視点で以て理解、考察できない
・繰り返しやればその瞬間はできるが、他のことを教えたのちにやろうとするとすっかり抜け落ちる
・動作のメモリーがおおよそ1つしかないのではないかという物覚えの悪さ
・やはり要領、容量が悪い
普通であればより深い理解をするための脳内イメージであったり、言語的説明を自らで付与するのだろうが、そうした工夫がない
ノートを取らせてもやや的外れなことが多く、後々に聞けば学生内での発表も悪い意味で冗長だったと聞く
普通の子達に教える分には3Hitを元とした指導法は刺さることが多かったが、3Hit指導もmission式で一つの原理を理解し、一つの事象を理解して再現できるようになり、その汎用性を以てイメージを膨らませることが出来るように様々な技術に3Hitを見出す流れで教えていくため、どこかで躓けば先に進められなくなる。
最初の「再現性」まではいけても、技術と技術の共通項を見つけ自らの中でイメージを膨らませる過程が出来ないことが多く、open questionにこたえられることがほぼほぼ皆無であった。
指導を受ける際、いくらやる気があって積極的であっても、「どう思う?」で何にも浮かばないようだと双方向性のコミュニケーションをベースにイメージ力を膨らませていく指導法は難しい
それなら、意味もなく謎理論でもいいから「こうしろ。全部こうしろ」と圧政を強いる他無い
私が指導した経験年数の浅い後輩も、県で一回は勝てる選手に勝てるぐらいには成長させることはできたが、県32に入るレベルの選手に勝てるようになるまではいかなかった
そのレベルに勝てるようになる為にはある程度の論理構築と、ミスした際の考察力は必要だし、飛んでくるボールの理解力も必要である
現代で否定されつつあるpIQが著しく低いADHDにおいては、そういった情報理解は難しいのではないだろうか
「いくら練習しても、いくら教わっても勝てない」
そうした子は、その子が勝ちたいレベルの相手によってはどうしようもない壁があるのかもしれない
ただそれでも勝つための戦略はあると思う
あらかじめ戦略的にパターンを狭めて、アセスメント無しにギャンブルゲに持ち込めるような鉄板展開を複数個持てればよい
では具体的にどういった戦術が挙げられるのか
これはまた気が向いたときにでも考えてみようと思う
※気分を悪くされた方がいましたら申し訳ありません。
誰もが一緒ではなく、皆がそれぞれに特性、個性を持っているため、それを理解して身の丈にあった卓球をされるのが最も勝利に近いのではないか、という論旨で書きました。
調べ学習してまとめた内容をもとに考察します
「ADHDの子はIQに乖離がある」
皆さんはIQをご存知だろうか
一般にIQとは地頭の良さを測るもの、と思われているがこと細かく見ていくとその実態は複雑である
IQを測る為に現在スタンダードに用いられているのがウェクスラーベルビュー知能検査(WAIS)
1時間から1時間半ほどかかる心理士つきの検査で、ネットなんかでサラリとできるような簡単テストとはわけが違う、ヘビーなもの
試験結果で「はいIQ低い!」みたいにあっさりとした答えが出るわけではなく、
言語性IQ(VIQ)
動作性IQ(PIQ)
全検査IQ(FIQ)
がある
言語性IQは言葉を用いた表現力や思考力を示す、いわばお勉強に近いもの
動作性IQは作業や運動を行う上での判断、考察力を示す
これらの詳細項目に
群指数:言語理解(VC) 言語意味理解,言語的知識,言語的推理,言語表現]
知覚統合(PO) 視覚的刺激の統合,非言語的思考,非言語的推理,同時処
注意記憶(FD) 注意の範囲,聴覚的な短期記憶,聴覚的な系列化,継時処理,聴覚的情報の記号 化
処理速度(PS) 反応の速さ,視覚的短期記憶,視覚的情報の記号化
がある。
参考:WISC-3
※新しい版は4があるようですが、たまたま調べたのが3だったのでそちらに合わせています
問題をしっかり読んで早く正解を出すのが高IQの秘訣、のようだが、ADHDの子だとさっさと解きたくてミス連発、大人だとゆっくりといて当たるもIQが下がるといった傾向があるよう
さて、一般人の平均は100程度、と言われており、70以下から精神遅滞の疑いとされる
レベルとしては中学校レベルの勉強ができるかできないか
一方でIQが高くても「ADHDなど発達障害」と分類されるケースがあり、vIQとpIQに開き(vIQーpIQ)が15以上ある症例にその疑いがかけられる。
※4においてはvIQ,pIQの区別はなくなり、比較すること自体に意味はないと考えられている。
参考:WAIS-4
以上、ざっくりとしたまとめ
間違いがあったらすみません
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私が大学時代指導していて困った例の多くは、「アスペ、ADHD傾向のある子」
この子らは皆言わずもがなvIQの高い、秀才達だ
※本記事ではアスペ、ADHDの明確な区別は伸べません。素人では鑑別困難のようだから
だが、頭の回りが遅めで要領を得ない子が多く、加えておっちょこちょいなミスも多い
なぜかぼーっとしている時間が散見されるなど、いかにも「っぽい」感じだった
アスペにIQが高い子が多い
というのはよく聞く言葉ではあるが、vIQ特化していれば確かにそういった傾向も生まれるのかもしれない
ただ、以下ブログ
アスペに高IQ多いは嘘
を見ればそうでもないように思うが、実際勉強ができる人間にアスペが多く、vIQ>pIQとなりうる暮らし方をしてきたというのは、納得できることと思う
勉強しかしてこなかった人間がある一定の割合いるからだ
そういったアスペ傾向相手に私が教えていて苦難したのは、以下の点
・一度いったことを頭では理解できるが、体で表現できない
・見たものを多角的視点で以て理解、考察できない
・繰り返しやればその瞬間はできるが、他のことを教えたのちにやろうとするとすっかり抜け落ちる
・動作のメモリーがおおよそ1つしかないのではないかという物覚えの悪さ
・やはり要領、容量が悪い
普通であればより深い理解をするための脳内イメージであったり、言語的説明を自らで付与するのだろうが、そうした工夫がない
ノートを取らせてもやや的外れなことが多く、後々に聞けば学生内での発表も悪い意味で冗長だったと聞く
普通の子達に教える分には3Hitを元とした指導法は刺さることが多かったが、3Hit指導もmission式で一つの原理を理解し、一つの事象を理解して再現できるようになり、その汎用性を以てイメージを膨らませることが出来るように様々な技術に3Hitを見出す流れで教えていくため、どこかで躓けば先に進められなくなる。
最初の「再現性」まではいけても、技術と技術の共通項を見つけ自らの中でイメージを膨らませる過程が出来ないことが多く、open questionにこたえられることがほぼほぼ皆無であった。
指導を受ける際、いくらやる気があって積極的であっても、「どう思う?」で何にも浮かばないようだと双方向性のコミュニケーションをベースにイメージ力を膨らませていく指導法は難しい
それなら、意味もなく謎理論でもいいから「こうしろ。全部こうしろ」と圧政を強いる他無い
私が指導した経験年数の浅い後輩も、県で一回は勝てる選手に勝てるぐらいには成長させることはできたが、県32に入るレベルの選手に勝てるようになるまではいかなかった
そのレベルに勝てるようになる為にはある程度の論理構築と、ミスした際の考察力は必要だし、飛んでくるボールの理解力も必要である
現代で否定されつつあるpIQが著しく低いADHDにおいては、そういった情報理解は難しいのではないだろうか
「いくら練習しても、いくら教わっても勝てない」
そうした子は、その子が勝ちたいレベルの相手によってはどうしようもない壁があるのかもしれない
ただそれでも勝つための戦略はあると思う
あらかじめ戦略的にパターンを狭めて、アセスメント無しにギャンブルゲに持ち込めるような鉄板展開を複数個持てればよい
では具体的にどういった戦術が挙げられるのか
これはまた気が向いたときにでも考えてみようと思う
※気分を悪くされた方がいましたら申し訳ありません。
誰もが一緒ではなく、皆がそれぞれに特性、個性を持っているため、それを理解して身の丈にあった卓球をされるのが最も勝利に近いのではないか、という論旨で書きました。
コメント
コメント一覧
ADHDの特性のひとつに「衝動性」がありますが、今まで教えられてきたなかで、衝動性を持っているために戦術の実行(徹底)が上手くいかなかった例はありましたか?
例えば、ツッツキだけ徹底すれば勝てる試合で、その戦術の意思確認を行ったにも関わらず、選手が急に全く違うことをやり始めて自滅した…といったことです。
お久しぶりです。
その類はよくあります。
ADHDの子に多く教えていましたが、入れるだけでいいと言ってそれで競ってたのに攻め始めて負けるというのは往々にしてありました。
ADHDだから、というのもあるとは当時思いましたが、余裕を持って引き気味で戦うのも卓球の経験値としてあるかどうかもありますし、そのプレーを徹底するだけのスペックが無かったり、はたまたマルチタスクをこなせない子もいたりしました。
複数のことをできないのは確かに発達障害の特長ですからこの意味ではADHDのせいとも言っていいのでしょうが、単にその子の性格といっても差支えないようにも思いますね。