一万円する高級ラバーディグニクス

巷では「高い」「誰が買うんだ」「テナジー安くしろ」と、的を得ない企業批判が相ついでいるようですが、このラバーを買うにあたり思ったのは、「そういった層はそもそもディグニクスユーザーになるに値しない」ということ
なぜならこれは、バタフライのハイエンドラバーであるから

高い性能なんだから、高くて当たり前でしょ

打ち込んでみてわかったのだが、テナジー05は決してディグニクスに劣るわけではないし、ディグニクスが出ても値段相応のラバー

共存可能、差別化可能の性能をそれぞれで持っている

まずテナジー、ディグニクスは、開発された際の卓球の環境が全く違う
テナジーが出た当初は高速化というよりも、グルー環境の卓球をそのまましたい、回転をかけたいというのがまだあった
ディグニクスが出た現環境は高速化があまりにすすみ、よっぽどの回転以外はすべて高速卓球的にはチャンスボールになりうる、如何にして楽に速いボールを出せるかが問われ、それが安定するのも大前提、そして回転変化を出せるのか、回転の絶対量はこれまでと同等なのか、高速卓球時の回転量は従来よりも大きいのか、と要求される条件が複雑となっている
その中でも最も重視されるのはカウンタープレーの質であり、ボールの高さと速さである

一般レベルで見ればテナジーは回転量、かけやすさ、安定感、弧線の高さが売り
四拍子が揃ったラバーでストレスフリーなラバーは他に無い
無個性な卓球になってしまうが、スタンダードなプレーをする上ではこのラバーを勝るラバーは存在しないのが現状だろう
いくらWRMに肩入れしてみても、いくら国内メーカーが好きでも、使ってみて安心感があるのはこのテナジーだし、それを支持するだけのユーザーが全国にごまんといる
もちろん打球感が嫌いだとか、弧線が高すぎていやだとかもあるとは思うが、そういった趣向がない限りは、テナジーを使ってみて合わない人は少ないだろう

ではデイグニクスはどうか
実際に打ち込んでみた感じとしては、
「ボールの飛び方は直線的ながらも弧線を描き、スピーディー」
最初はドイツラバーを打っているのか、これはラザンターなのかと錯覚したが打球感や回転量を確認していくうちに、全くの別物だと気付く
硬さの割に打球感が柔らかいのだ
軽打で飛ぶ割に収まりもいい
台上も同じく、テナジーのような感覚でやりやすい

また、球を持つ感覚がテナジーとは似て非なるもの
テナジーの方がどうも持つ印象なのだ
だから振った時の球離れがテナジーっぽくなくて自然
ディグニクスであればほかのラバーから簡単に移行できるよう思える

カウンターをするにしても低いツッツキを出しやすいものだからか、次の打たれ方が下からくるボールな為に緩めできやすく、ちょっと振ってあげるだけで簡単に低く返せる
テナジーだと持ちすぎて上に上がってミス、なんてのもあったがディグニクスはイメージしたような弧線よりも攻撃的に少し早いボールにして返せる

ストレートにカウンターも、少し触れば簡単に

ただいいことばかりでもない
自分から強打するときに、ぶち抜きで早いボールを出すのが難しい
というより打ちなれてなくて出し方がまだわからない
テナジーなら粘着のようなぶち当てる打法というよりかは、薄めに殴る感じでうねるボールを出せたが、ディグニクスだと少し物足りなそうなボールに

テナジーっぽくなさがぶち抜きで出てくるのが気になる

確かに水谷の最近の試合を見ていると、水谷強打が少し抜けるような形になりブロックされてノータッチみたいな展開があったが、やっぱりテナジーの感覚だとほんとに強いボールは出しづらいのか

もうちょっとぶち抜きの仕方を研究してから再度レビューを上げる


自分からはまだぶち抜きはしづらいが、引き合いだとかカウンターだとかフリックだとかは性能故に非常に安定、かつやりやすい

テナジーでも十分やりやすいと感じていたが、弾道が低めな分ミスがだいぶ減った

まとめ
ミスを減らして試合で勝ちやすくなる時点で、値段だけの価値は感じる
しかしテナジーとは似てるものの別物である印象が強い
使うだけで強くなる気がする
この感覚は私はテナジーでは得られなかったがディグニクスでは得られた
値段に躊躇してただ頭ごなしに叩くよりかは一度買ってみたほうがいいと思う
今の卓球の模倣ばかりではなく、強い人の卓球に必ずや近づけるだろう