【第2版】肩甲骨打法について ④

先日のフラン氏の記事
この要旨を端的にまとめると、
・肩甲骨打法の打球動作の主は肩甲上腕関節水平屈曲と定義する
・主動作に前ベクトルが乏しいことから、肩甲胸郭関節がそれを補填する動作と考えられる
肩甲胸郭関節における内転・外転は、水平屈曲に前ベクトルを付加する、ないしはスイング軌道の頂点を規定する
・この意味で前ベクトル0を肩甲上腕関節水平屈曲とすれば、3Hit基本動作として再定義することができ、それに「ちょうどいい程度の」前ベクトルを付与するのが肩甲胸郭関節となるため、肩甲骨打法を3Hitで説明できたことになる。

いわれてみればその通りだし、かつて言ったこともあったのだろうけれど、3Hitでここまですっきり説明できるとは思ってなかった

肩甲骨打法が一般に安定しないとされるのは、前に押す力を強く意識されるからであり、水平打法がこれに乗っかったとて、弾道を低く設定して前に飛ばすための技術と認知されるなら、それは入れるための技術というよりも、吹っ飛ばすための技術というのがベースにあることになる。
すなはち吹っ飛ばすための技術が入りやすくなるように、弾道を低くする、どちらかといえばそもそも入れづらい技術がたまたま入るようになる、結果論的に入るような考え方

我々の3Hitの考え方とは真逆なんですよ

必ず入る考え方からスタートしているからこそ、相手コートに入れるのに必要な不可欠な動作を抽出して、それを強化できる運動は何かと考察する

これが卓球解剖学と謳って考察している我々の考え方

また3Hit条件を満たしやすくするための引きつけも、肩甲胸郭関節内転を行うことでやりやすくなる
ピンポイントで台の中やライジングで狙う際は肩甲胸郭関節外転を用い、打球直前に3Hitを満たすようなスイングをする必要があるわけだが、ボールの軌道読みが必須となる中でも、各関節によってどう打球点が変化するかを理解できていれば、センスが必要なプレーも現実的に見えてくる。

今回のフラン氏の記事では肩甲骨打法に対する考え方をより細かく分類することで、運動はそれぞれ目的別に用途があることが分かった。
こういった考え方を持っていればどんなアドバイスであっても自分なりにいい部分と悪い部分を分け、使いこなすことができるだろう。
解剖学的知識と、3Hit Theoryの理解はそのための一助となるだろう。

3Hit Theory