肩甲骨打法とは?
という問いに様々な方が動画を出されていますが、まず基礎知識として誰が起源か知っていますか?
歴史的なところで言えば卓球王国で話題を作った高島氏でしょうが…
私はあまり好きではありませんでした。
氏の説明は肩甲胸郭関節を推すもので中学生の当時はこれだけだとうまくいかず頓挫しました。大方講習会とかで生で聞けば理解できたのかもしれませんがね
となれば、言わずもがな私が考える肩甲骨打法の正解…私が勝手に師と仰ぐ平岡義博さんこそが私の理解するところの肩甲骨打法の起源です。(紛らわしくてすみません)
シェークハンズの売れっ子指導者ですね
知り合いの三段選手が三部君の親父さんと知り合いで、その伝手で聞いた話では試合中でもお構いなしに打法を指導するとかしないとか
ベースに解剖学なり運動学を学ばれている方と聞きますから、彼の考察した肩甲骨打法は合理的であること間違いなし


ですから肩甲骨打法が知りたい、と思った際はまずは平岡氏の動画を当たるべきで、彼から離れれば離れるほどそれは肩甲骨打法から離れていく可能性が高いです。
実際様々な肩甲骨打法動画を見ては見ますが、どれも木を見て森を見ず、本質には迫れていません。
肩甲骨打法という枠組みの中での話は出来ていますが、どれもこれは入っているのにこれは入っていない、完璧な動画は一つもありません。

重要なエッセンスが全て入っており、それを説明する表現も解剖学用語を派生させたものから感覚的なものまで誰でも理解できる形で指導している人こそがミスター肩甲骨打法・平岡義博

ただ面白いもので、肩甲骨打法と言うのは上手い人であれば誰でも習得しているもの。
他の誰かが全てを知らずして解説している肩甲骨打法のエッセンスを理解することが出来れば、紆余曲折はあれど肩甲骨打法をマスターすることは可能です。

言うなれば自転車の運転のような、誰しもができているようなもの。
それでいて誰しもがそれを完璧には教えることが出来ないものであるのも肩甲骨打法の面白い特徴ですね。

私の見立てではあまりに多様な表現で誤解が生じやすいことに疑念を抱いていた(であろう)新基軸として平岡氏はAA、BB、CC理論を打ち出し、それらが複合的に体系化されたものこそが肩甲骨打法であるとし、より具体的表現で無理のない説明で、かつ効率的に普及させようとしました。
これらの理論を理解し体現していくと、必ず肩甲骨打法になります
平岡氏は誰もが理解しやすい形で、より裾野を広げた指導法を確立したと言っていいでしょう。

それを無料動画から研究し、氏の考えの奥ゆかしさを見た私はあまりに感激、影響を受けむしろ氏と逆のベクトルに。
よりfocusを絞り、知識人あるいは勉強家だけが正しく理解できるように、解剖学と物理(と言っても実験・検証から考察した3Hit理論)を軸に論理構築を始めました。

それ故に私が考える肩甲骨打法は他の一般の卓球人の肩甲骨打法への理解とは全く違います。
なぜなら私の方がより専門知識を用いてこねくりまわして考え抜いているからです。
誰かに教えて貰った、とか、ネットで調べた程度の肩甲骨打法ではまず私の考察にはかないません。
氏の動画を有料で買って理解した人よりも考えが進んでいるやもしれません。
というのも単なる受け売りや、氏の考え方にきちんと触れてなければ、多くの肩甲骨打法に関する見識はどこかしら間違っている、あるいは考察が浅いものばかりですから。
私を論破するには相応に考えているフラン氏レベルの卓球オタクか、本家のシェークハンズの方々くらいしかいないでしょう。
なぜここまで断言できるかと言えば、我々医師が得意とする考え方で考察を行ってきたからです。
それは「rule out(r/o)」という考え方。
皆さんは医師が診断する時、Aという診断が疑われた場合Aという疾患である裏付けをどう行っていると思うでしょうか
あまり学問をやってこなかった人であれば、Aという疾患であることの要素を集める、例えば症状、採血、画像etc...典型的な情報を集めてAだ、と考えることに疑問を持つことはないでしょう。これは「suspect of(s/o)」積極的に疑っていく考え方ですね。
確かに臨床の現場ではそれで済ますことが多いですが、もしAという疾患に類似したBという疾患があり、そのBという疾患が極めて致死的な疾患であった場合、Bという疾患を疑うことが出来なければBを見逃してしまうケースが発生します。
それ故に臨床の現場ではAという疾患を疑いながらも、Bという疾患で無いことを証明することが出来なければAという疾患だと言い切ることはできません。
また、「Bという疾患を疑い、そうでないと考えましたよ」ということをカルテ上残しておかなければ後々大問題に発展する為に、「採血、画像上の所見は○○である為に、Bという疾患を積極的に疑える初見は無かった」等と、断言することなしに一応「r/o」除外しましたよという表現を用います。

医学部低学年ではこうした考え方はあまり馴染みがないかもしれませんが、実臨床に出てカンファに出てDrの話を聞いていたり、救急での対応を見ていたり、自分でレポートを書いてボコボコに上級医に叩かれながらこうした考え方のセンスを磨きます。
それ故に私の記事が長ったらしくてわかり辛いのは、始めはs/oから入るけれどその道中で生じた矛盾点からr/oもした後に、必ず正しいと考えられる条件と正しくなくなる条件を考察するようにしているからです。

既にくどい表現ではあり、大方勉強が出来る人ならば数学なんかでこうした考え方を習得し、日頃から使っていることかと思います。
旧帝大レベルの学力がある人ならばこうしてくどく考えることは常態化していることでしょう。

というより、より若い世代からr/oとs/oの考え方を知った方がいいと思います。
なかなかこうした考え方を直に教えてくれる人はいませんし、考え方を考える必要を迫られる必要性も相応の環境下で相応の難易度の勉強を求められなければ生じることはありませんから。
もし指導者の方であったり、学生さんが読者さんでいるならば、r/o とs/oの考え方を教えるなり、出来るようになりましょう。
習得すれば間違いなく、勉強もはかどりより高度な考え方が出来るようになりますし、練習しなくとも上達することが出来る可能性も高まります。


と、これ見よがしにただ適当に考えているわけではないぞ、とアピールする過激な私であっても、光栄なことにはじめちゃんさんにtwitterで紹介して頂き、たくさんの人に当ブログを見て頂けました。本当にうれしい限りです。記事を書いていないのにこれほどのアクセス数は初めてですね。

↑の動画関連ですね。
こうなるとはじめちゃんにありがとうを直接言いに行かねばならない気がしてきます。
ちょうど土曜日から1週間夏休みですし、日曜日は東日本医師卓球大会なんてニッチな試合に出てきますから上京しています。
そのついでに店舗に寄って爆買いしましょうか…念願の給料も出たことですし。その後の予定が無ければですが。多分予定が入るので難しいでしょう。

さて、ここまでで平岡先生とはじめちゃんさんへの感謝を述べさせていただいたところで、過去記事を1つ紹介します。
過去記事:肩関節と肩甲骨
私としてはむしろこっちの記事を推して頂きたかったですが…紹介して頂いた記事も総論的な部分から各論記事に飛べるものだったのでどちらもオススメですけどね。
上記事では俗に平岡氏以外が考察する肩甲骨打法では、肩甲胸郭関節の使い方ばかりで肩甲上腕関節の考察がされていない為に、肩甲上腕関節、一般的には肩関節を学ぶにはちょうどいいかと思います。私が読者であればこっちのが目からウロコですよ。

というのも、
肩関節内転と肩甲骨内転は異なる動作です。
これを知っているか知っていないかで言葉の定義が違いますから、如何に解剖を勉強しているかしていないかの判別のフィルターにもなってしまいます 汗

今回のはじめちゃん動画では、focusは肩甲骨内転ですから、どちらかと言えば打球に関し間接的な運動から紹介を始めています。

今後は肩甲上腕関節にfocusした記事をあげてくれることでしょう。

といっても肩甲上腕関節の運動の多くは、「前腕の使い方」と誤って表現されることがほとんどです。
多くの情報を咀嚼せず情報を鵜呑みにする卓人たちは、前腕の使い方として紹介された肩甲上腕関節の使い方を前腕に力を入れて出来るんだと勘違いし、前腕に力を入れて卓球をし、他の人の「前腕に力を入れてはいけない」とした動画を見てまた信じ込み、前腕信者に対しマウントを取ることでしょう

それを見てほくそ笑んでる人がいますよ、ここに

確かに前腕という表現でわかりやすく、実際動くわけですから合っているとは思います。
ただ、これこそsuspect of の発想、前腕を使うという表現に孕む誤解をrule ourしきれていません。
ですから、そろそろ上腕と肩甲骨の関係性から肩甲骨打法という表現を細分化し、肩関節打法あるいは肩甲上腕関節打法と、肩甲骨打法あるいは肩甲上腕関節打法と使い分けなければいけません。

そうでなければ、リテラシーが低い層が上達する可能性がそがれてしまいますから。

鵜呑みにされるなら正しい表現の方がいいに決まっています。

リテラシーが低くとも、卓球センスがあって、練習する環境があれば誰だって強くなれます。
一番大事なのは上手い人が増え続けてより強い選手が卓球界に増えること。
ただ、誰かが厳密に区分したり、正しい言語表現で考察しなければ正しい表現を作ることはできません。
それ故に私はあくまでリテラシーの無い方にも通ずる誤解のない正しい表現を目指して、専門用語垂れ流し(1回はわかりやすく説明しますが)の考察記事を、理解してくれる人が生まれるまで続けますよ

この一文は矛盾だらけに見えますが、それでこそ理想たる所以です。

そんな中で読者さんで記事を取り上げてくれる人や、医療関係の人の目に止まったり、はじめちゃんみたな人が出てきてくれてうれしいですね
私の代わりに、誰か考察を進めて下さい
ただ…私も負けじと考察をしますよ
とまぁ、アクセス数増えたということで記念記事でした。



PS.リピーターさんへ
流石にこれでは新しい情報無くて退屈だったと思います。それ故にふと思った考察をば。

肩甲上腕関節の運動と肩甲胸郭関節の運動は独立しているか否か、というのが私の今の疑問点です。
肩関節内転・外転に言及するならば独立していると考えることが出来ますし、肩甲胸郭関節の内転外転時、肩関節水平屈曲・水平伸展は大きくは起きないことから肩甲上腕関節を入れる際肩甲胸郭関節は意識しなくていいと言えると思います。
肩甲胸郭関節を意識した際、肩甲上腕関節の水平屈曲・伸展が上手く入るか、と言えばそうでもありませんから、肩甲胸郭関節への言及を強めてしまえば誤解が生じる可能性は極めて高いと言えるでしょう。
私が指導してみて、自分の身体を動かしてみての実験・考察の為、確実に合っているとは言いませんがより誤解のない表現を取るならば肩甲上腕関節への言及の方が適切と考えます。
故に肩関節への言及と肩関節の考察の方が、より肩甲骨打法の真実に迫ることができ、なんなら肩関節打法と言い換えた方が区別できていい、と言うのが永遠の仮説です。
真実はPTなり整形のDrにならねば無理でしょう。。。山大卒の某東医体チャンピオンかつ日本代表帯同Drに尋ねてみたいところです。
ただ、別に独立、非独立如何にしても肩甲上腕関節の重要度が肩甲胸郭関節よりも落ちることは無いのは明らかです。
肩甲上腕関節からストーリーを組み立てるのと、肩甲胸郭関節からストーリーを組み立てるのでは後者の方がどう考えても無理が生じるからです。どんな動画であっても、どんな考察であっても後者は感覚的要素に頼らねばならない部分が大きいです。それであっても上達される方の方が非常に大きいところではあるのでしょうけれど。

また、普段のストレッチで肩関節の各運動をなぞるようにされた方がいいかと思います。
いきなり使えと言われても使えるものでもないですからね。