当ブログにてよく
「押し押し系のペン粒」
と表現していた某医学部の強いペン粒が全国デビューしてしまいました、、、
こうなると実名出してもいいですよね?卓球王国乗るみたいだし笑
すごいな鵜養くん。
郡山に勝つってよっぽどだよ、ほんと。。。
大物食いするのは、ダブルスを組んでた「6年の彼」がスタイル変えてミドルごり攻めマンになった時だろうと思ってたけど、まさかペン粒で勝つとは・・・。
鵜養くんとシングルで1回、ダブルで2回ゲームし、次シングルで勝てるように研究した経緯もあるので、なぜ彼が郡山に勝てたか私のデータも含めて検討していく。
①ベンチの圧倒的雰囲気
もう紛れもなく、東北大の雰囲気が仮にお通夜ベンチだったら郡山復活はほぼ確実だっただろう。
動画内で「みんな爆笑している」と言っているように、東北大がいい意味で緊張感なくやれていた。
卓球に命を懸けて、負けたら死ぬくらいに追詰めてやっているのではない。
皆卓球が大好きで、全国の決勝トーナメントまでたどり着けて、優勝候補筆頭のチームと試合が出来ることに対し喜びを感じている。
この大舞台で自分を表現できている鵜養君を純粋に称えて、応援できるというムードが確かにあった。
いいプレーに対して熱意ある応援も確かに強いが、自然と笑みがこぼれる応援もまた力強い。
私もベンチをいいプレーで笑かしにいくことが出来た方が乗るタイプだったし、私の先輩方も面白いプレーをして笑みを誘うプレイヤーばかりで当時の雰囲気が好きだった。
東北大のチーム作りも、核となっているのは間違いなく「6年の彼」だろう。
いつも楽しそうに卓球をするし、身を張って笑いを取りにいく。本試合でも一人飛び上がって応援をしたり、1人違ったムーブを入れて一般的な「応援する側」としてというよりも「自由な1観客」としていい味を出している。
1人笑顔で応援をしてくれる人が居れば、自然と選手もいいプレーには笑みがこぼれる。鵜養君が良く笑うのも、「6年の彼」がいるからだろう。明らかにいい雰囲気だ。
対して勝って当たり前の専修、いいプレーをしても見返りが点数だけならば気持ちも沈んでいくもの。
雰囲気からして東北大学の方が1枚格上だったというのは、紛れもない事実だろう。
②知識不足
明らかに粒を知らな過ぎる卓球をしていた。
確かに彼ほどの有力選手であれば並の粒には少し苦戦することがあっても負けること等ないだろうから確立された潰し方等必要ないのだろう。
そんな粒なんて所詮卓球に不向きな人の戦術だと、見ることもほとんどなければ全国レベルの選手に勝ったり負けたりするレベルの選手に嵌ることはあるようだ。
ただ思うにあまりに鵜養くんがいいプレーをするものだから正面突破しなければ勝てない錯覚に陥ったのだろう。監督も何故か正面衝突する択を通したのだから。
それ程に自分を強く見せた鵜養君がスゴイのだろう。そして、とある情報を鵜養君は隠し続けたのも勝因の一つだ。
そこを突く手順を予め知らなかった郡山の知識不足ならびに監督の知識不足か。
もっとペロッとしたり、ぬるっと返したり、うえっってやったりした方がいいハズなんですが。
③鵜養の仕掛けた情報戦
粒の弱点は何か?
こう問われた際、一般的なのはフォア前とフォア強打並びにロングサーブだろう。
本試合において鵜養はフォアは弱点では無くなっていた。
それもそのはず、彼はバックより断然フォアの方が硬い。
フォアブロックがやたら切れて、郡山がぽとぽと落とす場面が散見された程、彼のフォアブロックが強く見えた事だろう。
だが本来はここで疑問視せねばならない。
なぜそんなにフォアブロックができたのか。
答えは実は簡単で、鵜養はバック攻めを敢行したからだ。
郡山はどうもバックに粒のボールが送られたらクロスに回り込んで打つか、練習通りクロスにバックドライブしかしない。
無論コースが良ければ触れないが、ほとんどフォアに来ると分かっていれば鵜養も練習通りワンコースで切りにいける。
加えて郡山程の選手が強打したボールならば、オートマティックにキレて返る。
郡山の球質の良さが災いしたのだ。鵜養としても抜かれれば負けるが触れば勝てるギャンブルとなれば、余裕でオールイン。
郡山に気持ち良く打たせてラケットに当たれば勝てるのだから、バック攻めがしやすくてしょうがなかっただろう。
極めつけに郡山も超上級者、打ち終わりに律儀に前面ケアしようとするのだからバック奥はやたら刺さるし、バック奥をケアしようとバックによればフォア奥が開く。
チャンスボールが来たら両ハンドぶち抜きが当たり前の高速卓球ベースが為に引っかかる、鵜養が仕掛けた択ゲーだ。
バック攻めが全てのトリガー、そこからは常に鵜養有利の択ゲー。
ぶち抜きをやめない限りは郡山に鵜養に圧迫感のある択の押しつけをする余地はない。
試合終盤となりループをし始めたが、それは一見正解に見えて不正解。
一度ループを始めれば鵜養が浮かせない限りどんどんボールは浅く切れて返される。
終いには郡山が打てず、甘く返し、鵜養にフォアストレートを狙う余裕が生まれてくる。
ループをするなら早い段階でぶち抜かねば郡山は勝てない。だがそのコースも読まれており打開できなくなっていた。
サーブからの展開も郡山はロングサービスが少なめでかつ、バックに出した後もオールフォアが多い為になかなか待ちを外せない。
レシーブからも鵜養の回転の読みづらいバックサービスに律儀に対応し、律儀に引っかかっている。これじゃあアドを取れる余地がラリーしかなく、ラリーも詰められているのだからどこも詰んでいる。
では実際どうすればよかったのか。
簡単な話、全面待ち両ハンドで、両方ともバック狙いをすればよかったのだ。
一見して硬く見えたフォアも、フォアにしか来ないから硬いわけで、バック攻めをしてからフォアを狙えば意識から抜ける。
加えてバックは粒で振る余地が少なく、バックサイドを狙った後の返球をフォアミドルなんてのは粒にとっては急所、ほぼ上回転のチャンスボールしか出せないわけだから、そこまで繋いでぶち抜いていれば展開勝ち。
また左のバックストレートは急所だし、ナックル性のプッシュなんかも混ぜると面が出しづらく頓死を誘えた。
私がダブルスでミスさせる為に用いたのもフォアストレートの流しと、ちょい速のナックルループだったし、ここでアップダウンの変化を付けてあげれば粒で強気にプッシュだって択もでなくなる。
逆に言えば、ダブルスで負かした翌月に再びダブルスをしたら裏面で振ってきて相方フランが取れず詰みなんてパターンがあったから、既に対応している可能性が高い。そしたらもう対策は私レベルでは出来ない。
またバック側のレシーブが粒は難所で、意外と変化がつけづらい。
といっても左であればフォアサイドを狙われるリスクがあるため、そこまでサーブをいじれないが、序盤から潰しにいくならば、左ならフォアサイドから純下系をバック奥に出すべきで、当てて返して来たら側バックサイドとバックミドルの強打択ゲーにしてプレッシャーをかけにいった方がよかっただろう。
ただ、私もシングルをした時に衝撃を受けたが、粒のほとんどが上系で、押せ押せ系であった。
それ故にどうせ下だろというイメージから何度もツッツキをして浮かせてぶち抜かれたものだった。
しかして粒は下ないしは下ナックルだというイメージが強すぎて、意識せずとも下手に繋いでしまう。
であるならばいっそ開き直って全部どうせ出るからと出るまで両ハンドでバック強襲をかけ、持ち味のフォアブロックを消しつつ、バックからのプッシュでチャンスボールを出させるまで両ハンド博打を打った方がやることが少なくてやりやすかった。
鵜養くんと同格の粒と愛知で打った際も、どうも普通にやると弄られるから、弄られる前にぶち抜く方針にしたらやりやすさが出たが、郡山も鵜養に付き合わず、自分がぶち抜けるボールが来るようにコース取りを工夫すべきだった。
だが、この試合を見ていて気付いたが、押せ押せだけでなく、止め止めもできるようになっていたので、あまりの球質の情報量からこんがらがってしまったのかもしれない。
以上、東京レジナビから帰ってきたねぼけまなこで書いたレビューでした。
彼が1年の頃にゲームした時は、普通に競ったしこれだけ情報得たら次シングルしたら絶対負けないなーとか思ったり、翌年にダブルスでも初心者サーブをぽろぽろレシーブミスしてくれたからまあそろそろシングルの頃合いかな、勝てそうなんて舐めたこと思ってたけど、流石に郡山に勝つ位だもん、無理でしょうね。。。
「試合どうだった?」って聞いてみたいもの。多分、「スゲー強いけど自爆した」とかって感想が返ってきそうな。
もし仮にそう答えたりしたら、とんでもなく凄いことだけどね、あのレベルの選手を自爆させるってよっぽどだし。
しかして本当にすごい、東北大、ひいては医学部卓球界の顔だよほんと。・・・まあ推しメンは「6年の彼」の方だけど。
戦術的には相当煮詰まってきているだろうから、あとはロングサーブに対してのバックミドルへの強打と、ストレートにバックドライブとチキータまで覚えればより安定して勝てそう。
卓球楽しそうで羨ましいなー
・・・研修医はなかなか卓球ができませんよ。学生時代卓球が出来るのは本当に幸せです。
コメント
コメント一覧
郡山選手は妙に淡白なプレーで自分から無駄に早いテンポに持ち込んでいたように感じました。そこに引きずり込んだ鵜養選手とベンチの盛り上がりはすごいな〜とも
非常にお忙しいでしょうが記事楽しみに待ってます!
彼は医学部の団体戦でも劇的な試合をこなしてますから、団体向きのペン粒、それもテンションが下がらないタイプですから、あの郡山をも雰囲気で飲み込んだのでしょう。
ネタはたくさんあるのですがなかなか書く時間とモチベーションがありません、、、
時間が出来たらおいおい書いていこうと思います。それまでお待ちくださいませ、、
卓球バカ(失礼)には強敵ですよね。写真では爽やか系の大学生とは違い、修行僧、卓球仙人のようで、今回の快挙はまぐれではなく修行の賜物と思いました。いっそのこと、医師と卓球の二束の草鞋を履いて、修行を続けていけば、全日本優勝も可能ですよね。
異質は、というよりどの戦型でもレベルが上がれば上がるほど試合では割のいいギャンブルをし続けた方が勝つものです。
扱いづらい異質を使う時点でギャンブルをしているのだから、戦術的にも期待値で勝負しなければ成立しえない戦型ですから。
本人真面目で素直で聡明なものですから、かなりの練習と考察で以て組み上げられた戦術です。
しかして、ぐっちぃ氏が動画であげるような粒に対して合わせる戦術を全国に出るレベル選手に徹底されればなかなか勝つのは難しい。その辺りの戦術研究と対策を練れれば県代表になれるチャンスもあるかと思いますが、こう動画に出てしまうといっそう対策されて勝ち上がれなくなるかと。結局異質は傾向と対策でがんじがらめにされるものです。
しかして、医師になれば間違いなく大成するであろう人間性であり、卓球にのめり込める研究家な側面もありますから、医師としても卓球としても期待できる器な方です。
マスターズ世代になった頃に、田辺さんみたいに大舞台で大物食いをし、医師の道でも名を馳せるチャンスは訪れると信じています。