※三年前の下書き記事をブラッシュアップさせたものです。

過去記事:バックドライブまとめ;肩関節外転位から内転運動をした際の外旋運動とのシナジー
「バックドライブの本質は外旋である」
我ながらインパクトファクターを過去記事にて出したなぁと自負するところであるが、ここで思うのはフォアで内旋は使えないのかということ。

練習相手がいず、ただ鏡の前で素振りを繰り返しているわけだが、その中で一つの仮説が生じた。

ティモボルループは回内固定内旋が核としてあるのではないか

ティモボルのループ動画を繰り返しみていてもそう確信する根拠(といっても弱い者だが)がいくらかある。
①ティモボルのフォアドライブループでは手首が効いている
これは手首を使っていると解釈するのが自然と思っていたが実は違うのではないか、と言うのが今回の提言だ。
つまりは、手首が効くような運動を、手首より中枢で行っているのではないかということだ。
外旋式バックドライブを理解された方ならわかるだろうが力を抜いた状態で外旋を入れると、手首は自然と入る、いや入ってしまう。入らなければ不自然なのだ。手首を固定することに意識を向け力を入れてしまえば尺骨側の筋肉群でブレーキがかかる感覚があり、スイングスピードは著しく落ちる。
外旋のみに意識を向けたほうが、スイングスピードは速くなる。
テイクバックは回外+内旋をバックドライブでおこなうのもまた一般的。
そう、テイクバックの時点で手首の尺屈が自然と入り、外旋後には自然と橈屈している。

これをフォアドライブ、ティモボルのループに合わせてみれば、全て逆の表現で説明がつく。
つまりは自然と手首が入るフォーム、すなはちテイクバックで回内+外旋をし、回内のまま内旋でスイングしている。

バックドライブの反対という視点でフォアドライブでの内旋運動の有用性は示唆される。

②ティモボルはループで打点を落とす
打点を落とした方がいいというのはぐっちぃ動画で散々解説されていることかと思うが、それは打点を落とすことでのメリットであり、打点を落とす理由ではない。
ティモボルのフォームで入る打点は一点しかないわけで、その点で打つ理由はそのフォームを考察しなければわからない。
ティモボルのループは基本的にかかっている割に中速程度。つまりある程度押す動きが入っている。
押す動きで前に出るはずが、そこまで飛ばずに台に収まり回転量があるということは、かける動作そのものがあまり飛ばない動作をしているはず。
動画を横から注視すれば、肩関節内転でテイクバックをし、外転で自然位に持ち込んだ後、回内+外旋のテイクバックを経て内旋でドライブしているよう見える。フォロースルーはラケットヘッドがフォロースルー側に向いている。
これより俗にいうワイパースイングを小さく行っていると考えられる。

以上バックドライブ研究から導き出した仮設より推察した動作を、実際の動画で見比べて考察した。


ティモループであえて限局してみたが、多くの選手の主動作は内旋が含まれる。
昨今のカウンター全盛の時代においては、フォアカウンターは肘の屈曲に見えた内旋のみで行っている選手がほとんどだ。
となれば次のステップとして基礎打ちを内旋ベースにしてみればどうかという話になるが、水谷・張本を見る限りではそれはまだ早いようにおもう。飛ばす力を養っていくという意味では肩関節屈曲伸展方向の運動を用いた基礎打ちの方がその実前ベクトルは小さく、他ベクトルが入らない点で安定感が担保されており、「基礎」にするには適していると思われるからだ。

内旋の程度を小さくする方法とはと考えた際にたどり着くのはなんだろうか。

この答えを持っている人間はどれだけいるだろうか。