過去記事:関節を考える上で気を付けなければ知識

「肩」っていう単語を見たら必ず肩関節か肩甲骨か注意してみて読みましょう。



当ブログでは「肩の外転」と表現した場合は肩関節、それも肩甲上腕関節を指すことがほとんどで、「肩甲骨の外転」という意味で使いたい時は「肩甲骨の外転」という表現にわざわざしています。

ここで肩関節と肩甲骨って違うの?肩関節には肩甲骨が含まれるから同じ意味なんじゃない?

と思われる方は不勉強な私と同レベルですね。。平均以下の医学生と同等です。
音の響きがいいのでごっちゃにしたくなりがち。

私が調べたところ、肩関節は過去記事の通り複数あり、中でも一般に肩関節と呼ぶのは肩甲上腕関節
また、肩甲骨の~と呼ぶのは一般に肩甲胸郭関節(上記記事で軽く解説。)

肩甲上腕関節の運動の解説は以下のページを参照
肩関節外転、内転、内旋、外旋、水平伸展、水平屈曲の勉強(戒め)


今回強調しておこうと思うのは、一般に肩甲骨打法と呼ばれる関節運動は肩甲胸郭関節のことだ、ということです。
肩甲胸郭関節にもさまざまありますが、特に推されているのがテイクバック時の内転、打球に直接かかわる外転です。



私がかつてテイクバックをする際に「肘を引きながら肩の付け根を開くように。」なんて記事に書いたり指導していましたが、その意味するところは「テイクバック時に肩甲胸郭関節内転を意識しなさい」ということでした。
実際生で教えた場合は私が見て納得いく見え方になるまでは文句を言っていたのであまり誤解は無かったかと思います。
ただ、内転を意識させながらそれだけに飽き足らず、この時「肩甲上腕関節の外旋及び水平伸展及び伸展」を満たすように無意識に教えていたため、多分ブログ内の中身からは想像がつかない細かい条件を後輩に仕込んでいた可能性があります。要は肩関節外転で体の近くで打ちやすいフォームですね。


どこもかしこも肩甲骨打法と言えば「肩を使う魔法のような打法」のように書きますが、一口に言えば手打ちです。
肩甲骨内転でしっかりテイクバックを取らず、外転で押すように打つ際に「手打ち」と言われることが多いのではないでしょうか。
知り合いの定食屋所属の自称プロの3段選手に「青森山田の基礎打ちはこうやって教わるらしいよー」と実演してもらったあまりに不格好な基礎打ちも、肩甲骨外転を用いた「手打ち」でした。

肩甲骨を使うこと=肩甲骨打法ならば、手打ちも含まれますが、実際の肩甲骨打法は肩甲骨内転でテイクバックを取って肩甲骨外転でインパクトする一連の動作を意味するようです。

今回は肩関節と肩甲骨は名前が似てても意味するものは全く違うということをまとめました。
私も自然と使ってしまいますが、どうも肩甲骨打法って名前がかなりややこしくて好きになれませんね。。


PS.
さてここからが本題で、肩甲骨打法の本質はテイクバック(内転)か、外転かという話。
肩甲骨打法の生みの親である高島さんの文献を当たれてはいないもののtwitterとかをあさると、
「効率的な手打ち」
「腰を回さずに済む」

ことを推していたため、最小労力の、最短距離のテイクバックを推しているような印象を受けました。
実際に肩甲骨外転単体(この表現重要)の運動ではスイングスピードはそこまで上がらない。
肩甲上腕関節の外転運動ないし屈曲運動を足されるとよりスイングスピードが上がるようです。
そう、運動を複数にすると肩甲骨外転がやたら効いてくるように思えるんですよ。
ここで「肩甲骨を意識したらスイングスピードが上がった」と人は思い込むわけで、肩甲骨外転をしたがるわけです。

実はこれが落とし穴

というのも私が一番教えている後輩の五浪丸がこの落とし穴にずっぽりハマっていまして。
肩甲骨外転を意識するがあまり、打点が前になりすぎるんですよ。それ故にボールを待てない。
3Hit条件も肩甲骨外転であっさり守れなくなり、酷いミスを連発。
そこで途中から体の近くに打球点を持ってくる設定を植え付けて、それに肩甲上腕関節外転の意識と回内固定を教えてようやく少しだけ肩甲骨外転を消せました。
以上から私は肩甲骨外転はもろ刃の剣な気がします。

私が考える肩甲骨打法で最も重要なことはテイクバック、肩甲骨内転です。
何せ肩甲骨内転だけは他の運動では代用が効きづらいわけですから。
スイングスピードを上げたければ肩甲骨外転を強く入れなくても肩甲上腕関節でいくらでも上げることができます。
ただ肩甲骨内転の状態からボールを打つことは難しい為、肩甲骨外転をある程度は入れなければなりません。
以上から肩甲骨打法で意識すべきは

肩甲骨内転でのテイクバックと、肩甲骨外転での適度に前に振ること


だと言えるでしょう。

毎度想定を超えるミスをしてくれる後輩を観察してこその結論ですね。

PS.PS

平野美宇ちゃんが復調したのと、某3段選手に「張本昔より力んでねぇ~?」と言われたのも本記事を書く動機の一つです。
全日本時よりも心なしか小さく見えません?体勢落ちてますね。(そう見たいためにバイアスあるかもしれませんが。)
またラケット位置が高くスイングも小さいです。
スイングが小さいと見た目でわかるということは、前にそんなに振っていないということ。
これは肩甲骨外転の制限が意識されているからでは。(同じくバイアスあるかもしれませんが、私にはそう見えます。)
過度に前に振ってたらすぐ文句を言う私が、この動画内ではそうした印象を受けないということはやはり前に振っていない=肩甲骨外転を減らしているということなのでしょう。
この動画を見る限りではかなり良いい状態に戻ってきているようです。

PS.PS.PS
この記事およそ3日くらい考察し続けて情報足し続けているためこのようになっています。。

フォアを外転という単語を使って説明しようとした時、
①肩甲骨外転+肩甲上腕関節屈曲
②肩甲上腕関節外転+水平屈曲
のどちらかにわかれる(2つを足すのもありかもしれませんが)と考えます。
ただ私が一貫して主張している「前に過度に振るとミス連発だから、体から近いけど前でないところで打ちたい」とに合わせると、やはり②が好ましいです。

結局いくら関節運動でスイングが強化されても実用的(試合で入る程度のフォームで、そこまで頑張んなくてもいいスイングが出せる)でなければ意味がありません。
全日本の平野美宇のフォームも確かに強打ができるよう強化されてはいましたが戻りが遅く決勝で圧殺されていましたし、今のフォームは以前に戻りスタイリッシュな印象を受けます。
彼女のフォームは全日本と今で①と②のどちらか、これを考察するのは面白いかもしれませんね。