3Hitをより拡大解釈した際、3Hitを踏襲しつつ動きの中でこれを満たす運動を見つけました。
最近のブログでもちょいちょい出してますが、それが肩関節の外転運動です。
例えばフォアハンド
これには二つの運動の解釈があり、ひとえに肩甲骨打法と言うと対象が広くぼやけてしまいます。
便宜上二つの運動、肩関節内旋+水平屈曲と、肩関節外転の二つがあるとします。
さて、この二つのうち、よりボールを引きつけることができ、より小さい運動でボールに回転をかけることができるのはどちらか。
こう問われた際、下から上方向の運動ができる肩関節外転運動の方が正解、と言えます。
それもそのはず、肩関節外転運動には上下方向の運動はあれど、前方向の運動はありません。
また、バックスイングにおいても外転をした状態で待つことが非常に重要だとここ二日の研究でわかりました。
というのもみまパンチ、ハリパンチなんて呼ばれるスマッシュ系の技術を解説の宮崎さん?がNHKで「才能だ、誰にでもできるものではない」と表現していました。
ですが、末端を見ていればあのようなスマッシュと打てる選手、同じような打法をするような選手が大勢いますよね。
となればあの運動を分析さえすれば誰にでもできるはずです。
実際、私もあのスマッシュを考察したところ、バカみたいにスマッシュが入るようになりました。
コツはどうすればいいか。
それは過度に前方向のベクトルを入れないような運動を意識することです。
肘を90度程度屈伸した状態ではいくら頑張っても上方向のスイングスピードが、90度以下屈伸した時よりも小さくなってしまいます。(実際やってみればわかるかと。)
加えてスイング半径も小さくなるため、体の前で打たなければなりません。
身体の前で打つということは、前方向に振る必要があり、そのために内旋運動、水平を入れる必要が出てきます。
そのせいで、3Hit条件を満たせなくなり、かつスイングスピードも落ち、かつ体の前であることから汎用性の低いスマッシュしかできなくなります。
ここで、肘の屈伸を小さくし、肩関節を外転させることで、打点を体の右側に設定でき、前方向に振らなくともよくなり、下上のスイングで飛ばすことができます。
この姿勢にたまたまなれば間違いなく強いボールが行くでしょうが、常にこの姿勢になることってなかなかないですよね。
それは何故かと言えば、結局は肩関節内旋運動+水平屈曲運動が日本全体で奨励されているからでしょう。
またこう下上のスイングを押すと実際は後ろから前に振っているようにしか見えないから嘘だろ、と思うかもしれませんが、下上のスイングを、①外転ぎみの固定→②外転運動の手順で作ることが出来れば、あとはある程度ラケットとボールの高さを合わせて適当に振れば大体入ってしまいます。
それ位いつも通りのスマッシュ(内旋運動+水平屈曲運動)で行っている運動においての後ろから前方向のベクトルが強すぎる、ということです。
外転ぎみで固定を意識されれば私の言いたいことがなんとなくわかるかと思いますのでやってみて下さい。
よく言われる「ラケットを下げるな」の意味は「肘を屈伸してラケットを台の上に置いておく」という意味では無く、「外転を意識することでいつでも触れる準備をしておくこと」が本物なのだろうということです。
また、スマッシュする際に掌屈が入らないように、母指対立運動をせず、正中神経に力を入れ無いようにし、尺屈位+尺側神経支配の指に力を入れることでより前方向に振り辛い状況を作っていたりもします。この辺の解説は…よっぽど気が向いたらやろうかと思います。
今度フラン氏に解説して考察が進んだらまとめるかも。
説明が雑多ですが、以上は本日後輩2人に実験し、10分程度の講義で3Hit開発時と同じくらいの衝撃的上達が見られた内容です。フォアもバックもチキータもサービスもストップもツッツキもフリックも、、ありとあらゆる技術に通ずるものでした。
一言で言えば「外転は大事」
読者さんもいろんな指導動画や、全日本みまちゃん、張本くん、木造くん、宇田くん、アジアにて丁寧戦のみうちゃんあたりの動画を、外転に着目して見てみて下さい。
3Hitは見つけられなくとも、あまりに外転が頻回に使われていることに気付けるはずです。
回内回外は見つけていたのに外転を無視しているとは、本当に盲点でした。。。。。。反省です。
PS
実は外転運動の細かい解説記事を途中まで書いていたんですが、あまりにもインパクトファクターであったためすっ飛ばしてまとめました。とりあえず「現代卓球は外転運動が大事」だということをまず知ってもらいたいです。
元記事はWRMの手打ちは違う!といった動画において、そもそもの手打ちの定義が曖昧で直すべき点が違うはず→じゃあ手打ちの種類を考えようといった趣旨で始めていました。(無論この動画を批判するためじゃないですよ?動画の主張をくみ取り、より良い解釈を考察しようという趣旨で。)
ただ、もう外転運動プッシュ記事を書いちゃったんでお蔵入りですが。。
この動画ではがね氏が「水平屈曲+内旋運動」メイン、Xia氏が「外転運動」メインのフォームであることを意識してみてください。
Xia氏ががね氏に言うアドバイスがそのまま水平屈曲+内旋運動のデメリットの一部であり、Xia氏が自分を解説している内容がそのまま外転運動のメリットの一部だったりします。
この視点で動画を見ていけば、彼らが辿りつけなった領域が見えてくるかとおもいます。
更に一言で言うなら、手打ちは「手だけで打つこと」なのではなく、手打ちは体幹からより離れる運動である水平屈曲+内旋運動であり、手打ちで無いのは体幹からの垂直方向の距離がそう離れない外転運動であると言えるかも。
広義の手打ちにもし仮に外転運動が含まれるなら、手打ちはいいことだと私は断言します。
・・・3Hitを少し広義にした先に外転運動が潜むと気付いた「今の」私なら、という現時点での考えですが。
コメント
コメント一覧
https://youtu.be/lNOSmi2aKZs
「肩の外転を意識したまま固定」とは、このようなことを指されるのでしょうか?
返信遅れて申し訳ありません。
動画の表現があまりに抽象的過ぎて好みではない指導法でしたが、そんなところですかね。
卓球界隈で使われる俗な表現で言えば、「手を曲げずに打つ」、「水平打法で横から殴る」みたいなものです。
ただ、あくまで他の何かに例えてしまうと主旨が一気にぼやけてしまうので、あくまで「肩の外転運動をしたまま固定」という表現が最もわかりやすいかと。もしわからない場合は解剖学を調べてみて下さい。
また、みまちゃんのスマッシュの画像を貼っていますが、それが理想の状態と考えています。現在行われている卓球チームワールドカップでの張本が多用するドライブのフォームもまさにそうした状態が意識されています。
なるほど3Hit理論の本質の1つは、「打球において前成分を加えない。」ということなんですね。この記事まで読んできてやっと理解できました(^ω^;)。
そうですね。過度に前に振らない為の条件を羅列したのが3Hit
だからこそ「3cm前から振り出す」と設定しました。(実際は3cm前から振り出すことは少ないですが。)
ただ「全く加えない」というのは不可能なので、バックスイングで余分な前方向のベクトルが生まれ無いような工夫(今の結論としては外転し、ボールが打球点にくるまで待つ)と、そこから外転+水平屈曲で下から上のスイングを作りつつ必要な分の前成分のベクトルを加える必要があります。
この「待ってちょっと振る」ことがほぼ全ての条件で満たすように苦しい日本語で一般化したのが3Hitだと捉えて頂ければ幸いです。
大分時間が空きまして失礼いたしました。。。
色々と試しておりました。
まったくもって、使える理論だということがわかりました。
素晴らしいですね。記して教えて頂いて、ありがとうございました。
>「待ってちょっと振る」
物理ならF=ma、化学なら周期表、生物なら二重螺旋並みに大原則ですね。神が宿ってますね。
ありがとうございます 笑
引き付けることって大事ですよ!最近いろんなプロも似たようなこといってますからね