あっさり打ち切りエンドされてしまいましたね…衝撃のラストでした。まさかの打ち切りにえっと思わず声が。

なんといいますか、5話でキャラを大量放出し、中学生の大会に出るんだーって話し始めたあたりから、10週打ち切りを覚悟し、レビューするのをやめてしまいました。

同時期にアクタージュの連載が始まってテーマ被りした辺りからもう打ち切り確定かと悲しみながらも応援していましたよ…アクタージュを。これ読み切りがバケモノじみた面白さだったんですよ。確か監督が落ちこぼれて学校の先生をやってるみたいな設定で。
連載版では監督が監督のままで、学園要素一切排除した構成になってますが、、、私は前の方が好きでしたね。ただ、演出をより言語化して読者層に寄せているのもあってか言いたいことがわかりやすくなっているような印象を受けます。

「卓球と演劇でテーマ被り?」と言うと何だか違和感を覚える方が大多数かと思いますが、昨今のジャンプって「友情努力勝利」ごり押し作品が大分減って来てるんですよ。

バトル系漫画の中盤~終盤でやりそうな「自己との葛藤」みたいなテーマに序盤から取り組む、あるいは最初から最後まで内面の成長を描こうとする作品が多いんです。

今や中堅どころのハイキューや火ノ丸相撲はその代表格で、ド派手な展開は無いながらも演出と画力、内面の掘り下げで説得力を持たせつつもリアル路線でキャラクターの成長を扱っています。

「敵キャラの回想は打ち切りフラグ」
なんてよく言われるところですが、この2作品は敵キャラの掘り下げですら面白い。それどころか、主人公側のキャラとの共通点や相違点をわかりやすく表現し、それらを対比することで深みを出している。
主人公側のキャラの設定も相当に練っているだけでなく、敵キャラの設定も練っているからこそできる芸当で、なんともなしに読むと「ほえーだから強いんだなー」と思うような話も、よくよく見返していけばそこまで成長してきた道筋がきちんと記されていたり。

フルドライブも序盤はそうした内面掘り下げ型の作品になれそう、と期待していました。

しかし、敵キャラの回想は多いのに、なぜか主人公の掘り下げがほとんどされなくなっていく。
主人公がただの戦闘狂にしか見えないし、なぜ強いのかの説得力もない。ただ絵のインパクトはあるから、こりゃ勝つわというイメージを持たせてはいると思うが。

哲学系漫画の路線を見せながらも、結局見せたのは努力勝利だと主張が弱くなってしまうのですかね。
1話で見せた路線を最後までつらぬいて欲しかった。そうでもしないと見劣りしてしまう。

しかして、打ち切り一番の敗因は舞台を中学校の大会にした、ということではないでしょうか。
大方、東京オリンピックを見据えて、混合ダブルスを組ませたいと思ってたことだろうけど、中学校が舞台なんてあまりにありきたりでちっぽけになりませんか。
せっかくのエリアカみたいな設定なんだから、ジュニアの強豪とか大学、実業団選手、世界遠征をしながら内面と葛藤する様子を描いていった方が話の深みが出せたようにおもいます。(素人目線ですが)
超天才卓球少年が今さら天才卓球少年ばかりのチームで無双するなんて、「あんなに強そうなところに勝てるのかなぁ、、」みたいな期待感の一つもない。

「どうせ勝つんでしょう」と。


それでも中学生にこだわるのなら、じゃあどうすれば、という話だが、いっそのことエリアカ内の序列争いみたいな展開にしておけばよかったのではないでしょうか。
身近な目標が無ければ努力する過程に面白みがありません。東のエリアカ、西のエリアカがあり、それぞれに国内トップクラスの中高生が所属する、みたいな感じにして、エリアカ内でもS級、A級みたいなのがあり、S級条件は公式試合でS級選手に勝つことみたいな。

序盤で左の子に勝ってしまったが、あそこでまず負ける

修行パート。
ここでこれまで自分のことだけしか考えていなかったが、相手のことを考えて卓球をしなければならないことを知る。この際に混合ダブルスをマリンちゃんと組み、マリンの葛藤を知る。

駆け引きで心理読みができるようになり手ごたえを感じたあたりで新たなエリアカS級要件が。エリアカA級と中学生トップが争うエリアカS級昇級戦がある。

戦う相手が左の子と再戦。

実は左の子にはなかなかS級に昇格できず、腐っていた過去が・・・
それを知りわざと負けようとした主人公に、「それがお前のやりたいことか」とマリンからのげきがとび、結果的に捲って勝ち→感謝を覚え成長


S級に昇格した後に全日本ジュニアとかしてシニアでも勝っているバケモノ張本にぼろ負け。

海外転戦をして実力を伸ばすが、伸び悩むマリン

気晴らしにと混合ダブルスで大会に出るが割と内容が良く、それが全日本代表監督の目に留まり、混合ダブルスの日本代表候補に

世界転戦をして、王者である中国にぼろまけ→それに張本が圧勝

祖父に教わった卓球を捨てるのかどうか、高速化するのかどうか。

択ゲーにして、常に後手番で戦うカウンターマンに転身。それでもしかけでループドライブを多用し自分の卓球を完成させる。

まあ一例で書いてみましたが面白くはありませんね、、、
ただ、選手の成長を描くなら相応の壁があって、相応の努力パートが必要で、内面的な葛藤を示すなら自分だけで悩む様子は相当に実力がなければ書けないから、ライバルとの心のやり取りで感性が動かされる描写を入れて~なんかが必要だったのかと思います。

テニプリを思い出してみても、あのマンガがなぜ面白かったのかと言えば、
・序盤の展開がリアル寄りの必殺技でわかりやすい試合展開だったこと
・校内ランキング戦というわかりやすい競争社会があったこと
・一人一人のキャラ付けが必殺技、性格、ビジュアル共にできていたこと
・画力があったこと
・決め台詞があったこと
・敵キャラが魅力的だったこと
・越前がかっこよかったこと
なんかが軽く思いついただけで挙げられると思います。

・・・どうりで面白いわけですよね。ここまで全て踏襲できていればそりゃ人気漫画間違いなしですよ


卓球漫画は正直ジャンプ作品と卓球王国のダブルス、ピンポンくらいしかしりませんが、ジャンプ作品で内面葛藤を1話から描いたフルドライブは紛れもなく斬新な作品でした。

出来る事ならば設定を練り直して1話から新たに作ったものをジャンプ+で読んでみたいところですが…叶わぬ夢でしょう。

作者さんの新作に期待したいと思います。

・・・マリンさん可愛かったので、マリンさん主役の卓球漫画とかどうでしょう?