以前某ブログの記事にコメントした際、そのブログの読者さんからコメント内容に噛みつかれたことが有り、なんだかなーと思ったことがある。


内容としては肘の屈伸を利用するか否かで、私は明らかに曲がっているように見え、なんなら曲げなきゃできない運動をしているわけだから 曲げている。
それも5度程度曲げている。だから屈伸は使うよ、みたいな内容を書いたが、それに対して「それっぽっちまげて変わるわけがない。なんなら全国ホープスの指導者は曲げないように指導しているから曲げないのが正しい」との返信。

この人の主張には自分の考えも具体性も何もないじゃないか、、、議論にならん、、、と思い、次噛みつかれたら論破できるよう考察を続けていたのだが、ようやく明確な答えが見つかった。
確かに曲げない論の主張もわかる。ホープスで曲げないように指導している理由も納得した。


そのわけとは、肘を伸ばしたまま打つのと、肘を曲げながら打つのとでは使う筋肉と必要な筋量が大きく異なるということ。

更に言えば、前者は全く頭を使わずとも教えることができ、プレイヤーも脳筋でも実現可能。後者はもうめちゃくちゃ難しく、打法設定も細かい。
打点に注目してみても、前者は初期のラケット位置に打点が依存する一方で後者は初期のラケット位置に依存しない。
つまり、前者は割とオートマ寄りの打法で微調整をすることが出来なくなるが、一定の環境においては安定し扱いやすい。後者の方がマニュアル性能が高いが故、扱えた際の強みはあるがミスが出やすい。


実際二つの打法それぞれを後輩に教えて経過を見ていたのだが、後者を時間をかけて教え習得できた後輩に前者を教えたらものの数分でマスターし意外そうなリアクションをされた。

女子に教えてみるとその反応は顕著で、ものの5分のレクチャーでろくに振らずともダイレクトに力を伝え、楽に早い角度打ちが打てるように。・・・かなり粘って打法教えてもなかなかマスターできなかったのにだ。


なるほど、肘を伸ばし、曲げないように打つ打法は教える方も覚える方も簡単、それでいて楽に威力が出せる。だが、最大値としてはそこまででは無い。
この特徴からして確かにホープス向きの打法か。一発の威力よりも打点とスピードで勝負する卓球が勝つ為に求められる環境にマッチしたもの。
噛みつかれたのも納得、確かにホープス指導者ならばそう言うに違いない。

だがそれはその環境において正しいものであり、他の環境、よりシニアへと近づくに連れて限界が見えてくる。
実際張本くんのフォームを見ていれば、フォアが弱いとされていた頃はまさにホープス向けのフォームだった。
だが世界のトップ選手相手に勝つ今となっては、フォアドライブの威力は明らかに上がっているし、フォームも大きく変化している。
フォアドライブが弱点とされ狙われていたのも過去の話。広角に打ち分け得点源となっている。

今はむしろ、バックに遅いループが打開策として多くの選手に狙われるようになっており、昨年は想像がつかない。バックが得意なのにバックが狙われるなんて、、、



ちょっと脱線してしまったが、何かが採用される際、採用されるだけの理由・背景が必ずある。
それを知るか知らないか、それを考えるか考えないかで情報の有用性は大きく異なってくる。

ミスをしないという条件ならば、シングルスのレシーブ時、どんなボールが分からない状況ならよりマニュアル性に富む打法の選択が望ましいし、サーブ時の三球目やダブルス時のレシーブで割と読みが利く際はオートマ性に富む打法の選択が望ましい。
このように打法選択はその人の打法への理解力、状況判断能力に依存する。

このような打法選択がトップ層で平気で行われているものと考えれば、最初は難しいとされていたチキータが気付けば環境トップのレシーブ技術に躍り出た理由や、巻き込みサーブやYGサーブが最強とされ全盛だったと思いきや最近は普通の順回転サーブが見直されバリエーションが、一目にわからない程複雑になってきた理由まで考察することは誰しもが可能だろう。
単に純下がチキータしづらいから、なんてくだらない理由ではない。打法選択の縛りが知らず知らずもしくは経験的になされた結果と言える。

「肘伸ばすことが正しい、伸ばさないことが正しい」

そんな二者択一に縛られていては見地が狭い。
卓球は相も変わらず、奥が深い。。