この前の大会でなんというか燃え尽きてしまった感がありありの私、バルサミコです。
読者層の幅が広がったことがわかりましたので、今後のブログの方針を軽くかいておきます。
この前の大会で「回内回外 卓球」で私のブログに辿りついてしまった某県のお強い選手に声をかけて頂き、なんなら参考にしてもらっていると聞いたりと、せっかく強い選手にも読んでもらってるのだから有益な情報を書いていきたいと思うところですが、如何せん燃え尽きてしまった・・・。
技術考察の大半を上半期で済ましてしまったせいもあり、更にテクニカルな情報もしくは解剖学的に考察されていないことを見つける為には私自身が強くなるための卓球を始める必要がありまして。
自分の卓球に関しては3年前に団体で勝てた辺りからモチベーションは下降気味、同期もいない今最低限の仕事が出来ればいいやくらいで頑張る意味を見いだせず。
チーム強化も一番勝たせたかった子達を勝たせることが出来て満足。
なんなら、全国レベルの選手に教えるならまだしも、県16クラスに勝てるような卓球の指導が求められているし、それに必要な大体の技術はアイディア一発で考察できてしまう。
加えて技術系考察は直接目の前で実験しながら教えた方が手っ取り早く、言葉で表現するにもなかなか限界があるところ。
しかし考察を済ましたといっても、未だ言語化していないネタは数多くあり、なんなら何があったか思い出せない程にまで。
言語化さえできれば、医学生で卓球が上手ければある程度の参考動画と解説文があれば理解・シェアできることと思うし、私みたいな解剖考察をする人間が今後も医学卓球界に残り、10年後、20年後辺りに大活躍してくれればいいなぁという思いから、狭いシェアではありますが、今後も読みづらい駄文で技術系考察を続けていくことにします。解剖学的知識に疎い方々には申し訳ありませんが、これを機に勉強して頂けると幸いです。
また、今大会に向けて二人の選手を重点的に育てた結果、育てる際の注意点・注目点等も様々わかった。それらに基づき、どちらかと言えば指導者目線で物を書くことがこれまで以上に多くなり、メンタリズム的な信憑性の低いネタも増やしていく方針。
もしベテランの指導者さんなんかが読まれたら不快に思われることも多いかもしれません。
ただ、自分の領域内での決めつけをせず、相互にコミュニケーションを取りながら目標とする卓球を作り上げていった結果の成功経験から物言いをしていきますので、誰にでもあてはまるものではないと思います。不快感を覚えてもしょうがないでしょう。
今回のテーマとしては、選手育成のベースとして私が重要視した「自分のモノを生かす」こと。
いきなり前述の方針とは無関係?なテーマではあります。
私が本腰を入れて戦術や技術を教える相手はある程度選んで行った。
まずは学年が上がり、お互いがお互いのことをわかっていること、そして私が教えることでの成功経験があることが絶対条件。学年が浅く、思慮が浅い後輩に教えても何も身につかず、物事の重要性の取捨選択ができない傾向がある。
学年が上がるにつれ、卓球をする年数があり強くなりやすいのは間違いないことではあるが、それ以上に信頼関係が築けていないとコミュニケーションが上手く取れない。
この上手く取れないというのは、心情の根っこを吐露してくれるかどうか。
今何を考えているのか、これまで何を考えて卓球をしてきたのか、高校時代の監督・コーチによる指導でどんなことを教えられどんな抑圧をされそれでどういう思いをしてきたのか。それらを語ってくれる子の方が教えやすいし、戦術も組み立てやすい。
なんなら大会期間中に理解が深まり、その子に適した策を提示することや、適切なタイムアウトを取ることができたりもした。
また、直接言わずともある程度知ってさえいれば、細かな態度、細かな動作からでも推察することができる。
私はそれを見逃さない。すぐに違和感が見つかったら、それを言葉に出して聞いてみる。
そうしてお互いの卓球観のズレをまず無くしていくことがその選手の「自分」を知ることの第一歩である。
この「お互いの卓球観を知る」というのは、別に自分の卓球観をその人に植え付けるためというわけではない。
あくまで、自分がその人の卓球観をトレスし、次の行動を読むことの為に用いる。
そして、その人の卓球の根っこが何なのか知ることが重要となる。
例えば0-2の9-10、相手がロングサーブを出してきたとしよう。
ここで合わせてツッツキミスをするのか、それとも中途半端に回り込んでミスをするのか、あるいは思い切り回り込んで一発入れるのか。
こうした追い込まれた場面で取る行動にその人の卓球の本質は見え隠れする。
私なんかは、打つぞ打つぞと思っていてもサーブが途端に短く見えて合わせてストップしようとしてミスをすることが多い。私の卓球の本質はあくまで受けと言っていい。
選手には「受け」が本質の選手と、「攻め」が本質の選手の2つに分かれており、勝負所で使える、いや勝負所で無意識に出てしまうのはその本質となるプレーに違いない。
少なからずそれに気付いた私は、昨春の大会の際フラン氏で盛大に実験した。
フラン氏が試合で負ける時は必ず回り込んで打ちミスをする。打たれて負けることは絶対にない。
受けが元から下手な選手ということもあり、本人はブロックとかカウンターとかを練習したがるのだが、しれっと無視してこれでもかというくらいに徹底的に攻めの技術なり、回り込みをしてからの打法を練習させ続けた。
その結果、以前よりも攻めの割合が増え、格上相手にも善戦。
本質が回り込んでの攻めにも関わらず、そこまで磨いていなかったことも相まって明らかに調子は上がっていた。
その選手の本質を知る為に、負け方を分析するのはあくまで一つの方法。
1番はその人の性格、その人の卓球を知った上で総合的に見る事が重要。その為のその人の卓球観、考え方、次の1手の傾向を知ることが大きな意味を持つ。
今大会で強化指定とした選手2人は対極的。
Aはかけミスで負けることが多く、Bはブロックミスで負けることが多い。
単純なラリーの中身を見ていけば、Aはブロックを徹底的に磨いていった方が強くなれるし、Bはかける技術を磨いた方がいい。Aなんかは打たれたら手を伸ばして吹っ飛ばすことが多いし、Bはフォアに振られたボールをループでかけることができずに繋ぎ打たれることが多い。
性格的にAはノー天気、攻めることそのものに何の抵抗も無ければ受けること、打たれることに関しても何も思うことはない。点差もそんなに気にしない。攻めに怖さが無いのなら、攻めた方が怖さを出せる。この選手に受けを身に付けさせることよりも、より威圧的な攻めを教えた方が勝ち筋を常に残せると考えた。
性格的にBはメンタルが本当に弱い。常に身から振り絞るように声を出し、ミスをしてもすぐに顔に出る、行動に出る、動揺する。ベンチに対して声を出す姿も気丈に見せようと頑張っているが、私は見ているだけであわあわする。心は泣いていて、何かにすがりたい。負けるとすぐに泣いてしまう姿をたびたび目撃した。それ故に自分からリスクを負わせるプレーよりも相手に打ってミスをするリスクを負わせ、受けの技術で安心しながらアドを取らせた方がいい。試合中も笑いかけることを意識し、メンタルコントロールに努め、受けの卓球の安心感を増幅させた。
その選手の競った場面での行動、そして精神面を加味した上で、Aには徹底的にかける技術を、Bには徹底的にブロックとカウンターを教え込んだ。
結果として、競った時に飛び出る技術の安定性が明らかに向上。
競るまでの過程はどうでもいい。何本か打ちこまれたって、何本か攻めが遅れたって関係ない。
8-8、9-9まで競ることが出来れば、競った試合になれば、二人とも練習してきたいいプレーが見られる。
格上と試合した際は流石に同じようなミスをして負けてしまったが、同格程度の相手までならば自分の技術を私から見ても十分に信頼できるまでに成長してくれた。
実際試合を傍目から見ていても「まじかよ…」と応援側が思ってしまうプレーが見れてしまうことも。
今回重点的に教えた2人+フラン氏から学んだことは「自分のモノを生かすために着目する点として、得意不得意という概念からだけでなく、その人の人となりから、その人の抜けそうにない基本設定から何を生かすのか決めていく方がいいこともある」ということ。
ついでにもう一つ例示。
ペン粒選手でカット性ショートを得意とする選手がいたとしよう。
「この人はカット性ショートが得意だからもっと生かそう」と思うのが一般的かもしれないが、それに伴う穴、つまりはメンタル的に辛くなってでてしまうところを練習で潰しておかなければ、相手に狙われずともおのずと出る。
私がカット性ショートが上手いペン粒選手を指導するならば、そんなカット性ショートなんて幻影に捉われず、まずは浅いドライブの処理と深いドライブの処理のどちらに張っているかを見る。
浅いドライブ処理に基本設定している選手であればミドル処理やロングサーブの処理で致命的失点をする可能性が高いし、深いドライブ処理に基本設定している選手であれば、浅いボールへの押し癖が強く、肝心なところでのループ処理やナックル処理でもたつく可能性が高い。
ペン粒における基本設定は意識していない限りは、そりゃ無意識にしてしまうもの。
それはこれまでの対戦相手、練習相手に合わせて決まってしまう。
そうした潜在的設定の穴をまず消してあげる事、そして、そのミスしやすいところの技術を主戦に使えるくらいにまで育てることが最短で強くなる秘訣。
逆に3回くらいペン粒選手を見て、その人のミスの傾向さえ掴めれば、当たり前のことながらそこを突くだけで誰でも点数は取りやすくなるだろう。守備専の卓球は意識的に穴を埋めていかなければ、強くなることはできないのだから。
以上うちの子達とペン粒を例に出して説明した。
自分の「卓球の根っこ」って何だろう。
それを考えてもらいたいと思い書いた記事でした。
コメント