戦前予想通り、シュシンの台上とサーブからの展開でやられてしまいました…



フォアサイドをサーブで狙われると張本は一発を打てるサーブ(浮いたサーブ)が来たら勝ち
ハーフロングで低いサーブが来たらループドライブをせざるをえず、それはシュシンにとって格好のチャンスボール、カウンターで終わりという展開。
シュシンのサーブが低く決まればそれだけでシュシンが6:4くらいで優位に立つ。

一方で張本がサーブからの展開ではシュシンは割とやりたい放題。
短く切るストップが決まればシュシンの圧倒的リード。それを嫌がりハーフロングを出せば粘着特有の低いループで張本はブロックを催促→シュシンのカウンター。
切るストップは張本にとって両サイドどちらに来ても劣勢を強いられるボールだった。
シュシンのストレートへのチキータもかなり効果的で、次に下がったら粘着特有のボールでさらにアドを稼ぐことができていた。

お互いに浮いたボールを出せば決められるといったワールドクラス特有のゲーム性ではあったが、浮いたボールを止めるスキルとしてはシュシンの方が高い。
バックではしっかりストレートに、フォアに来たらカウンターでカーブドライブと徹底していたシュシン。
バックに来たらフォアサイドにプッシュしないと点数にならず、フォアに来たらカウンターするも次に引き合いにされる張本。
受けから始まるラリー性能の差はシュシンの方が二枚三枚くらい上手。

加えて決定的な差としては期待値の取り方がシュシンの方が上手いということ。
さすがペンと言わんがばかりのボールを起こしてからの粘り。
ループドライブもカウンターされることを前提としてのものであるため、ループの質・回転量共に張本のラリーにつなげるためのものとは異質。
張本の場合は次に打てるボールを貰うためのもの、シュシンはループで決める為の回転量の変化、高さの変化、弾道の変化等工夫を凝らしたエースボール。
エースボールながら次に一発が来てもいいような体勢で常に待っている。

張本のループによるブロックミスは少ないが、シュシンのループによるブロックミスは顕著に見られた。
こうした「繋ぎ」でも点数を取るといった意識が高い方が勝ちやすい傾向は如実にある。

マロン対TimoでもTimoのループは繋ぎのものではない。エースをねらうためのもの。ループ期待値としてはあのマロンに引けをとっていなかった。

シュシンに勝利した際の水谷のループも相当にクオリティが高いものだった。(今大会は残念ながら見られなかったが)

またみうちゃんが中国人を連覇しまくったアジア選手権においても質の高いループが目立った。



両者共に先に起こす展開が必要な卓球においては、「ループドライブの質」が高い方が有利となる。
その質も次につなげるものというよりも、その瞬間で点数を取るためのものの方が強い場合がある。
それが本試合のような、「次をカウンターすることを前提とする」張本と、「相手からのカウンターを前提として更にカウンターで待つ」シュシンのような攻めの手段がより強いボールに対しての場合である。
こう見てみてもシュシンの方が待ちとしては強烈であるのは一目瞭然であるが、試合全体としてこれほどに意識の差があったとみれば、シュシンの勝ちは納得いくものとなるのではなかろうか。



いずれにせよ、張本の勝ち筋はシュシンバグしかなかったように思える。しかし、チャンスボールを見逃さずに打ちにいってミスの少なかった張本。
十分に攻め所はあり、点数も取れていてゲームも取れた。
あとは小技、台上を極めて、弱点である起こす技術をより高めていければ世界トップクラスとも対抗できることが本試合でわかった。


これからに期待したい。頑張ってほしいぞ張本君。