フルで観戦して思ったこと。

多分、世界卓球で一番面白い試合はこの試合で間違いないだろう。

大方卓球素人や初級者がこの試合をみて思うことは、ピシュテイ態度悪すぎだろう

確かに態度は悪いかもしれないが、この試合にはピシュテイという卓球選手の生き様が表れている。





まずこの試合の出だしを見る限り、私はピシュテイの勝利を確信していた。
私の研究筋であった回り込みフォアストレート、バックプッシュでフォアに振ってからのフォア対フォア等、張本の弱点を十分突いていた。
1ゲーム目の内容を完遂することができて、尚且つムードを切らすことがなければピシュテイの勝ちはゆるぎない、加えて張本のギアが上がったところを小技で切らせれば4-1か4-2でピシュテイ勝ちかと思えた。


そうした私の予想を一挙に覆したのは、ピシュテイのサーブに対しての「フォルト
これで試合の流れ、ピシュテイのゲームプランが全て崩される。
これまでフォルトを取られてこなかったはずのサーブが全てフォルトになるとなれば、チキータお化けの張本に出すサーブなんて相当に限られてくる。
もはやこの試合そのものが審判によって壊されたとさえ思える。

この試合で出されたサーブがフォルトかどうかなんてのは正直どうでもいい。
問題視すべきはこれまでフォルトにされていなかったサーブが大一番で突然フォルトにされることなのだ。
33歳のベテランが初のベスト8を目前にしていた試合でなぜそんな水を差されなければいけないのか。
審判の質というか、審判の教育というかその辺ないがしろにしすぎだろうと。
サッカーであれば暴動になるレベルではないか。

それくらい試合をつまらなくし、それくらい卓球をわけのわからないスポーツにした今回の審判。
まずそこに問題提起をしたい。



まず本試合の注目ポイントであったフォルト。
相当に大事な場面で張本に点数を献上したピシュテイは気持ちが切れてしまったように見えたがまだ闘志は捨てていない。

彼はそこから、煽りプレーの連続をかますのである。

「サッ」を妨害認定、カット、投げやりカウンター、ハイロビング、全く入らない逆チキータ、バックサーブ、タイミング無視煽りバックサーブ二連続、台に入るタイミングを意図的にずらす、くそバックサーブetc,,,


まだまだあったかもしれない。

一見して経験者が見ればやられてたら真面目にやっていないように見えるプレーを真面目にやりのけた。

ある種ヒールに見えるかもしれないが、私には主人公にしか見えない。

市民大会レベルのおっさんの知恵袋を全て持ってきた感が強い。

あーいったプレーを推奨するわけではない、確かにある程度は態度が悪いし。
ただルール上過失がなければ別に問題なんて何もない。せいぜいちょっと印象が悪くなるだけである。勝つ為の知恵、勝つ為の工夫、勝つ為の努力を試合中に行っているだけなのだから。

こうした試合中に頑張るというのはやれと言われてなかなかできるものでもない。

勝ちに貪欲な姿勢はピシュテイから学ばなければならない。

しかし、もう一度言っておくが、ピシュテイは1ゲーム目の作戦をフォルトの邪魔なしに完遂していればもっと善戦していたのは間違いないこと。


結局はピシュテイはかわいそうだった。
決してヒールなどではない、立派な選手だったと付け加えておかなければならない。