毎日七時間以上たちっぱの実習で足腰にガタがきています。
ラケットよりペンより鈎を持つそんな日々

日本を騒がせた一戦である水対対張本
昨日かるくまとめましたが、今日はもう少し詳しめに。

この試合を分析していくうちに水谷には負けるべき理由、張本には勝つべき理由がそれぞれあることがわかった。

まず水谷視点。

ボールに対しての相性が悪すぎたという印象が強い。
水谷は強いボールを売りにするというよりも、
・繊細なボールタッチで回転を残すor残さない
・コース読みさせない
・サイドにシュートで寄せて倒す
・前陣でカウンターかと思えば中陣で粘る広いプレースタイル
を売りにする選手。
全ての技術の拠り所は世界一とも言われる感覚である。
レシーブに関してはそうしたところが顕著であり、ストップに関しては自ら強いタッチで回転をかけることなく、回転を残したストップや、微妙に回転を変えたストップを多用する。
今回使用されたボールはニッタクボールということもあり、コウソウキと比べて固めでしっかり球持ちがあり、ボールスピードが遅く、回転がかかりにくいという特性がある。

ストップに関しては回転がかかりにくい為、ニッタクボール使用の際はむしろ回転をかけにいかない限りは回転の影響を受けやすくなる。
というとイメージしにくいか、要は強いタッチの幅が広く求められる。
コウソウキであれば元から回転量が強く、軽いタッチでも飛びやすいボールであるため感覚が優れている方がいいストップをしやすい。
この辺りはトップ選手のミスを比較してみると明らかになることであり、我々一般レベルの感覚で見てはいけないだろう。

普段ニッタクボールで卓球をしている私としてはストップはとまりやすくかかりやすく飛ばないと思うにもかかわらず、水谷はぴょこぴょこ浮かせて叩かれていた。
これは明らかに水谷の敗因、そして、ボールに合っていないと考えられる要素の一つといっていいだろう。

張本のサーブが良かったのでは?という意見もあるかもしれない。実際水谷も浮かせていたわけだし。
ただあのレシーブ強者の水谷があそこまでレシーブを浮かすと本当に思っているのかと問いたい。
水谷の卓球を日ごろからよく研究する者として、単にサーブが取れなかったと片づけたくない。
水谷は、もっと強いだろう。


張本視点。

やはりフォアの一発の威力は上がっていることは間違いない。
その一発を打てたのもそれまでのサーブレシーブのおぜん立てがあってのこと。しかしあえてそこを語るべきでもないだろう。

今回張本のフォアは特徴的に変化した。
一般的な表現を使えば面を開くようになった。
解剖学的に言うならば「フォアで回外位である」場面が非常に増えた。
これまでフォアにボールが来たら回内位で合わせ打ちしかできなかったところを、回外位の状態で下から上のスイングor肘の屈曲を生かした後ろから前のスイングで強くいける場面が見られるようになった。

これまで弱くしかいけない場面を強くいけるようになったというのは明らかな進歩であろう。

フォアフリックも同速度で上回転・ナックル系の二種を使い分けるようになっている。
水谷はフォアフリックに関しバックドライブでカウンターをすることはあまりない。
合わせてプッシュ系で低くコースを突くきらいがある。
それで回転が読めずネットミスをしている局面が見られた。

大方この辺はお父さんの研究筋もあったのかもしれない。




しかしビッグラリーになった際は張本の強みは無い。
ただその前にラリーが終わる可能性は大いにある。昨日軽く見たよりも、繰り返し見た今の方が張本が世界相手に勝てるビジョンは見つかった気がする。


張本の新型の回外位型フォアハンドに期待したい。





ダブルスも男女ともに勝ってうれしいですね、明日からも期待。