※読ませるつもりのない4000字overの長文です。。本当に暇な方だけ。

3Hit Theoryを用いて、いや、普通に練習いていてもそうだが多くの技術が安定し、広い範囲にて技術選択ができるようになった時、試合で使えるかどうかは別問題だ、みたいなことがよく言われる

・チキータが練習やオールで安定して入るのに、試合では入らない
・バックドライブが試合になった途端入らない
・試合だとチャンスボールもチョリがけしてぶち抜きでいけるはずなのに行かずに負ける

上記がよくある例として挙げられる。

そうした時どうやってできるようになるかという課題が生まれる。
それに対する私の答えはシンプルで、どういった考察をしてその結果からどういった意識で待つのかを決めておくことが重要である。

繰り返して言うが、「待ち」の意識が一番重要である

その待ちの意識の中でも重要なのが、自分の中での「設定」である

例えば相手のレシーブにてストップを想定する。
私の場合であれば
ストップ
→Fにネットより高いボール→(バックにプッシュ→オールフォア待ち)(フォアにフリック→フォア待ちでカウンター)(ミドルにぶち抜き)
→ Fにネットより低いボール→(バックにプッシュ→オールフォア待ち)(フォアにフリックorツッツキ→フォア待ちでカウンター)(バックに短くツッツキ→起こされたものを両ハンドカウンター)
→B・Mにネットより高いボール→(バックorミドルに強打orチキータ→フォア三分の二をフォア、残りバックでカウンター)
→B・Mにネットより低いボール→(バックに低いチキータ→バックバックで強打の準備)(ストップ→全面両ハンド待ち)(フォアに高くストップ→クロスでカウンター待ち)(バックに高くストップ→バックでストレートプッシュ待ち)

ストップをされた際はこれくらいの設定をし、状況と相手の状態を見て勝負しやすいものを使っていく
相手がストップ偏重型でどのサービスにもストップをし、中陣にいて次のカウンターの意識が強かったら緩いボールで起こさせるのを催促するし、相手がバックでカウンターをできずプッシュしかネタが無いのなら全球ナックル性のボールをバックに送り回り込んでくるまで様子を見る。
私のレベルでは強い選択をできないが、プロの場合はより積極的な選択肢を持ち、かつその中でも豊富な分岐に加えて、さらに返されてからの展開も多く持っているもの

そうした出たとこ勝負の要素を少なくし、最終的にはサイドを割ったり、ミドルを突いて点数を取る等決めるパターンに持ち込むまでをラリーの状況を見ながら選択しているのが高レベルの卓球である。


こうした選択の連続が絶えずラリー中起きる中で、逆に選択をしない卓球が幅を利かせているのもまた事実である。
よくあるのが何をきてもバックにかけ続けるタイプ。
流石に全国クラスの選手ではいないだろうが、県で上位の選手であればザラにいるタイプで、カウンターやバックブロックで変化をつけられるタイプでなければ安定性の高い方の勝つというなんとも泥つく戦法。
そういうタイプの多くはそれしかできないからそれしか練習しない。
また、戦法を限定しているため多くは精度が高い。
団体戦等緊張し、置きにいく場面が増えてしまう場面で、ある種緊張してもやることが一つなため開き直って作業ゲーにでき、団体戦では強くいけると言える戦法である。実力差を縮めることができる。
先述したような分岐が多く、全てに対して予め準備しておかなければならない対応タイプと、上記のようなごり押しタイプのどちらがいいかと言えば、それこそ相手による。
しかし、自分の中でどちらも使いこなせていた方が試合中優位に立ちやすいというのは言うまでもないだろう。



お昼を食べにいってふときいたことから。
新技術を覚えた際、その技術はできるようになるが他の技術ができなくなるなんてお馬鹿さんが全国的に数多くいると思う
・チキータをしたらツッツキができない
・ループをしたらドライブができない
・フリックをしたらドライブができない
読者の中にも身に覚えがある人がいるだろう
正直私は中学はじめからこれまでそういった現象が自分に訪れたことはない
せいぜい中級レベルの私であるが、練習する際はある程度使える状況を想定して練習している
チキータであれば台にバウンドが視界内になければやらないし、ループであれば低いボールでなければやらない。無理だと判断できればツッツキや当てて返すだけにする。
逆にそうした意識でできる条件を分類した後に、よりできない条件であるボールに対して練習する。
大方新しい技術を覚えて他の技術ができなくなる人は、その技術毎の条件を自分で決められていない。
入った際の考察をしていないといえよう。その入った際の考察にしても、ただ入ったから全て均質に考察をするのでは意味が無い。
本当に意味がある考察としては完璧な場合、無難に入った場合、何故か入ってしまった場合くらいに分けて考えるのは最低限必要である。
それに伴い、完璧な場合の分岐、無難な場合の分岐…等その後のルートに関しても考察をしていかないと有効手かどうか理解できず、試合で使ってみないと判断しづらくなる。
練習の中で展開を完成させたいのならば、せめて5手先くらいまでは考察をすませておきたい。
同様にミスをした際の考察としてもある程度の分類は必要である。



今回ルート分岐に関する二つのネタを書いてみた。
こうした場合分けをし樹形図を書けば簡単にわかるような考え方を紹介しても、考え方をわからなくて考えられないと言われることが多い。
正直、そういうタイプは想像力が足りないからできないんだなんて言ってしまう監督・指導者の方が多いだろうが、私に言わせれば論理的思考が苦手で、しゃべりが下手くそだからできないと断言しよう。
少なからずそうしたタイプは酔っ払いに訳のわからない絡みをされて「ああ、これは酔っ払いだから話が通じない」と諦めてしまうだろう。案外相手が酔っ払いでも傾聴の姿勢を持ち、何が酔っ払いの主張の核なのか理解できればそこを軸にして会話が出来うる。
酔っ払って「歩いて帰りたい」と連呼されても、なぜ帰りたいのかわかればなだめることも不可能ではない。


前述した傾聴と言えば、話がうまい芸人の多くは自己主張も去ることながら傾聴が素晴らしく上手い。イメージとしては明石家さんま
相手の話をよく聞いて本質をつかみ、どこを拾えば面白みが引き出せるかを考えながら話を聞く姿勢。
一番相手が楽しく話して、また途中で話の流れを読みながらオチにキレイに辿りつくようなアシストをして最後に気持ち良く笑う。
その話の中で王道の拾い方をするか、少し外れた拾い方をするかで主導権は変わるし、普通に面白い話者なら前者、少し変わった笑いを取る人なら後者。
こういった会話中という目の前でスピーディーに話が進む中で先に主導権を取り大きい笑いを取るか、それとも相手に主導権を握らせつつも最後には自分主体で大きい笑いを取るか、そんなゲーム性の中で生きているのが芸人。
ここまで見ていくと卓球と非常によく似ている。
私の先輩に、少ない技術で戦略的に勝ちに行くそれはとても強い方がいるのだが、やはり話がうまかった。
傾聴の中にも表情の変化に富み、小気味良い返事で相手の話を引き出し、相手主導の話では最後まで気持ち良く話させてくれる。自分から話を振った場合はキレイに落ちを付けるように誘導をしていく。

話が上手い人は卓球が強い、とは短絡的には言わないが、少なからず、話にしかり、戦術性のあるゲームが強い人は卓球が強くなりやすいだろう。
逆に、卓球が強い人が戦術性に富むとは絶対に言えない。ごり押し展開で強い人がいるため。 
ただ、卓球が弱くて話が下手な人はまず、論理的に物事を考える癖をつけた方がいい。
そうすれば会話中でも物事を論理的に進められるし、それを同じくらいスピーディーにすすむ卓球の中でも行うことはできるだろう。

さて、論理的に考えるとは何か

私程度が語れるものではないが、順序を考えることはその一つと言えよう。
しょうもない例で恐縮だが、小学生はよく「うんこ」を喜ぶ。
とりあえず言っておけば爆笑する。
順序としては
A→うんこ
発言に対し、全てうんこと言えばいい
大人であればただうんこと言っても笑えない
例えば
A うんこにまつわる面白い話題があり
B たまたまその話題が出され
C 一旦他の話題に移り
D 前の話題に良く似た展開となり
E    うんこと言えるタイミングがきて
うんこ
で、所謂天丼の流れで笑える。
これがうんこでなく、diarrheaや肝炎であればもう少し早く笑いになるかもしれない。
まずは、順序としては、A→B→C→D→E→うんことなる。

これを例えばうんこを一発系フォアドライブにすれば
A 長いサーブが来たから → フォアドライブ

A 短いサーブが来たから→B ストップで処理し→
C バックにツッツキされたから→ D ミドルにバックドライブをし
E ブロックにブロックされたから→ フォアドライブ

となれば順序立てて論理的と言える。


今までこうしてかんがえたことが無かった人は、是非とも卓球の展開を順序立てて、論理的に考えてもらいたい。
そうすれば自分が相手次第のひ弱な展開ばかりをしていたのか、それとも自分次第の高圧的な展開をしていたのかわかるだろう。
これらのバランスが極端にどちらかに寄っていた場合は新しい技術であったり、戦術を考えていかなければ今以上に強くなれない。


口先でなく、意識から、頭を使ってどうやれば強くなれるか考察した。
自己啓発的なものは嫌いではないが、練習中はなるたけ論理的に、試合では自己啓発で強くなりたいもの。
私は口には出さないが何でも論理的に考え、裏の裏まで読んで結局失敗するなんて経験も多くある。
「それだと気疲れしちゃうよ」なんて言われたこともある。
しかし、そうした考察の機会を多くこなしてきたことで、今に生きていることの方が非常に大きい。
卓球の考察には大きく寄与しているし、会話であったり、医学を学ぶ上であったり考えるすべてにつながっている。
なんとなくを具体的に、あなたの卓球観どころか人生観も変わっていくかもしれない。事実そういうタイプの人を数人思いつく。


WBCを見ててふとネタを思いつき、6回から書き始めて、日本が勝つあたりで書き終わりました。
筒香は素晴らしいですね。